2006初夏の旅~カン(2) [2006夏1アムス、パリとノルマンディ・ロマネス]
6/23 カン~バイユー~カン
朝10時にフロントでタクシーを呼んでもらい、バイユーまでの途中に訪れる4つの教会の説明もしてもらい、OKとのことほっ!。ところが迎えに来たタクシーに乗り込むと「何処へ行きますか?」だってぇ~。またもや地図を出して説明。運転手さんは初めはこの教会、次はここと順番を言ってくれて安心したのだが・・・。最初のTHAON(タンと発音するらしい)で迷いに迷ってしまった。雨の日だったら完璧ぬかるみにはまっただろう。小川の淵の車がようやく一台走れるかというような農道を行ったりきたりしてようやく発見!!
Zodiaqueの「Normandie Romane1」の表紙を飾っていて、その見事なほどの鄙びたロケーション、たたずまいに惹かれていたので、辿り着いた時はホントに嬉しかった。ここはバスは入らないし、事前に役場に訪ねても今は見学不可と断られただろう。というのは内部は床を2~3メートル堀り下げ調査中だったから。側面の入り口を入ると3人の若い男女が地下墓の発掘をしていた。手元には骸骨がゴロゴロ・・・。心の中では「ひえ~っ!祟られないかなぁ」などど怯えながらも(実は小心者なの)、明るく「ボン・ジュール!」(汗)
参考見取り図によると11世紀の創設で最近壁は補修されたようだ。変形の失われた側廊があった関係か外壁の彫刻のまわりには穴が開いている。
しかし、なんともいえない古色蒼然とした風情、教会の傍らに打ち捨てられたように石棺が2.3個。THAONの街からも離れた森のなかに残された教会は謎めいた雰囲気もあり、今までのロマネスク巡りのなかでは最も特異な印象を受けるものとなった。↓教会の東側の道路から。正面入り口は反対側になっている。
↓西側入り口は道路の反対側で、写真は逆光
↑THAONの内部と南側面。
↓内部の写真は珍しいようなので追加
後ろ髪を引かれる思いでこの教会を後にSECQUEVILLE-EN-BESSINへ。広い敷地の墓地に建つ教会は門が閉められ見学できなかった。
↓11世紀の塔に付け加えられた13世紀のトップはカンの教会と同じデザイン。
次に訪れたRUCQEVILLEは内部の柱頭彫刻で有名。
↓ 正面と北側面
閉まっていたらどうしようと恐る恐る門の柵に手をかけると開いたのでほっ!小さな教会の中には誰もいない。
↓内部
写真を何枚か撮ったのだが暗かったのでピンボケ。↓
ポツンと置いてあった寄進の箱にコインをいれて感謝の印とした。
4つ目の教会はSAINT-GABRIEL、ここも門に鍵がかかっていた。隣接する農家の庭に奥さんがいたので尋ねたのだが、鍵はここにはないというので諦めた。帰国後チェックしたらここは同名地のサン・ガブリエルでもサン・トーマス教会だった。一部外壁にもロマネスクが残っているようだが、近づけなくて、残念。
がっかりしている私に運転手さんが少し離れたところに古くて綺麗な建物があるというので、そこへ行ってみた。花で飾られた敷地に古い塔や建物数棟。近所の子供たちも犬と遊んでいた。Ancien Prieure de St-Gabriel・・・小修道院?。ここの資料は持って行かなかったので帰国後ガイドブックでチェックしたところ、11世紀の創設。塔は15世紀のもの、JUSTICE TOWERと呼ばれている。それで地下には牢獄もあるそうだが、現在はは園芸スクールとして活用。敷地のあちこちに人間と同じ大きさの農夫や修道士の人形が置かれてるのが珍しかった。古くは小修道院だったということは教会があるはずなのに、それらしい建物もなく(現在は修復され公開)、夏の花の咲く庭園を眺めて休憩。
↓入り口の門
↓構内
ここからバイユーまで20分ほどで到着。マチルド王妃の館で降ろしてもらい、タクシーとはここでお別れ。THAONでも一生懸命探してくれたので、難しい仕事だったねとチップをはずんだ。
早速ウイリアム征服王のタペスリーの見学。説明版を読むのに時間がかリ、疲れて途中でギブアップ。でも本物の展示室には日本語ガイドのイヤフォンがあり、「さっきの苦労はなんなの~」(^^;)念願の絵巻物絨毯(というより刺繍絵巻物?)が観られて幸せ。これの説明は長くなるので割愛。
↓マチルド王妃の館の入り口と建物
ノートルダム大聖堂のそばでランチ。ハムやチーズの入ったガレットとオレンジとレモンソースのクレープはノルマンディの名物。とても美味しかった。この街はカンより観光客が多い。イギリスから近いし、タペスリーにも表現された歴史的事実?もあり、そちら方面からも気軽に訪れる人たちで賑わっていた。だから英語もフランスの田舎にしては通じる。↓レストランと大聖堂のクリプトの柱頭彫刻
↓ 大聖堂正面の広場からは全体が写せない。巨大なゴシック教会
↓クリプトはロマネスクだが柱上部はフレスコ彩色に目が点
鉄道駅まで20分くらい歩いた。この日は30度くらいまで気温が上がり汗だく。しかし美しい建物を眺めながらなので気分はルンルン。シャンブル・ドットと呼ばれるお花でいっぱいの素敵な館のB&B、水車の回る小川の畔のレストランなど・・・。↓シャンブル・ドット(看板にはシングルで40€弱)やレストラン
丁度良い列車があり、帰途は20分ほどでカンに到着。疲れたのでタクシーで女子修道院へ。付属のLA TRINITE教会はあいにく葬式の最中だったので、遠慮しながら内部の見学。
↓LA TRINITE教会
徒歩で数百メートルのホテルへ戻った。遅かったランチと疲れでお腹が空かないので夕食はパス。手持ちのおせんべい、果物を食べて早めに就寝。
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