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2006夏の音楽祭~エジンバラ(2) [2006夏2インスブルック、ザルツブルク、エジン]

8月31日(木)   National Gallery of Scotland&オペラ「魔笛」

 ここのホテルは今まで宿泊したB.Wチェーンホテルのなかではコストパフォーマンスが非常に悪い。朝食はお粗末。そして部屋の掃除は午後に外出から戻っても(クリーンアップお願いの札をかけて5時間以上たっても)まだ済んでいない。オペラの前に一眠りしなければならぬ身にはイライラがつのった。

 ここは朝食は別料金。しかし7£で卵料理もつかないし、パンもあまり美味しくない。2回は湯沸かし器でおにぎりと味噌汁を作って食べた。荷物も減らせたので良かったのだが・・・イングリッシュ式朝食が楽しみだったのに~。(涙)

さて、このホテルから市の中央に聳えるエジンバラ城までは徒歩で15~20分くらい。オペラやコンサートのチケットの保管場所であるザ・ハブもお城の近くなので、のんびり目指して坂道を歩いた。ハブの事務所はロイヤル・マイル沿いの立派な教会の中。まさか教会の内部がこんな風に事務所になっているなんて思っても見なかったから、ウロウロ探し回った。(罰当たりとは言わないが・・・ちょっと違和感)

チケット引き換えも済み、次はナショナル・ギャラリーへ。ホテルとは反対側の道を降りていくと丘の上からギリシア神殿風の美術館が見えてきた。隣接するロイヤル・スコティッシュ・アカデミーも同様の壮麗なギリシア建築。この2つの建物は近代的な地下フロア(レストラン、カフェ、ブックショップ)で結ばれている。特別展以外は無料。

↓はロイヤルマイルの裏側

イタリア絵画ではロット「聖会話」、ラファエロ「椰子の木のある聖家族」、フェッラーラ派「聖母子」(幼児キリストは赤い珊瑚のネックレス)、ティツアーノの2枚の「ディアナ」、バッサーノ「三博士の礼拝」、ティエポロ「ナイル川から発見されたモーゼ」など。
 スペイン絵画ではヴェラスケスの初期の傑作「卵料理をする老女」、スルバラン「ヨアキムとアンナを伴う聖母の無原罪のお宿り」、エル・グレコ「寓意画」(猿、ろうそくに火をつける少年、男)など。ネーデルランド絵画のレンブラント数点、フェルメールの初期の作品「 マルタとマリアの家のキリスト」ボルフ「歌のお稽古」ルーベンス「サロメ」そして2回の特別室にファン・デル・グースの「三位一体の祭壇画」の4枚の板絵パネル。

(→部分写真は不気味なオーラを放つ黒衣の天使)

フランス絵画ではヴァトーの「祭り」、プッサンの代表作7枚の「秘蹟 」、スーラの「水浴びのための習作」ゴーギャン「天使とヤコブの闘い」(説教の後の幻影)などが印象に残った。また19世紀に地元の画家が描いたスコットランドやボーダー地方の廃墟になった修道院の風景画が何枚か展示されていた。

 ここまででエネルギーの大半を消耗、エルスハイマー特別展は逸る心を抑え、翌日にまわすことにし、地下のレストランで ランチ。ここは美人のウエートレス さん揃い。愛想も良く 味もエジンバラでは美味しいほう。ガラス窓の向こうにスコットのモニュメントが見えた。↓

久しぶりに快晴のお天気なので日光浴の市民でいっぱい。バスで帰ろうと思ったが、まだここの複雑なバスルートが理解できてないので、徒歩でホテルへ。途中コンサート会場のUsher Hallも確認。

 「魔笛」19:15開演 エジンバラ・フェスティヴァル・シアター

オペラの会場までホテルから徒歩約15分。帰りは近道のあるのに気がついたが行きは 地図の通りに歩いて遠回りをしてしまった。この日は旅に出て一番暑い日だった。汗だくになって辿り着いた。会場は外観は普通のビル、前面はガラス張り、入り口ロビーはカフェになっている。右手はチケット売り場とエレベーター。正面は5階までの大階段、吹き抜けになっている。各階ごと(上階を除く)にBARもあり。変に大げさなホールではなくコンパクトながら機能的なのに感心した。私の席は4階の左寄りの一番前の席 。NETで一枚しか残っていなかった席にしてはGOOD!!内部は古典的な、けれどシンプルな劇場。古い劇場をそのまま生かして外観だけ改装したのか?

↓3階のBarから

↓4階の私の席から

「DIE ZAUBERFLOTE」

指揮 :Claudio Abbado  演出:Daniele Abbado

Sarastoro:Georg Zeppenfeld  Tamino:Eric Cutler  The Queen of the Night:Erika Miklosa  Pamina:Julia Kleiter  Papagena:Sylvia Schwartz  Papageno:Andrea concetti
Monastatos:Kurt Azesberger   First Lady:Caroline Stein  Second lady:Heidi Zehnder  Third lady:Anne-Carolyn Schluter

Mahler Chamber Orchestra

 今回の旅で観た2つの「魔笛」。ザルツが完璧に近い名ソリストたちを集めたのに比べ、エジンバラは夜の女王を歌ったミクローザ以外はあまり知らない歌手たちで構成されていた。私はザルツの派手な舞台より、作曲された時の小さな芝居小屋に掛けるための歌芝居(ジングシュピール)の魅力、「魔笛」の不思議な力を持った音楽の表現・・・断然こちらのほうが好み!! 注目の夜の女王はスキンヘッドにアイラインはどぎつく隈取りされ蜘蛛女のよう、ミクローザの美しい顔の片鱗もなく登場。3人の童子たちはオリーバー・ツイストのようなロンドンの下町の男の子スタイル、ハンチング帽が可愛い。演出はとりたてて特徴があるわけではないが、移動レール装置を上手く活用。動きのあるシーンを生み出し、飽きさせない。パパゲーノはイタリア人のバリトン、歌はいまいちだが軽妙な演技が達者。こんなに明るいイタリア男まるだしの鳥刺しくんは初めて。
アバドの指揮は初めてだったが、手勢のマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)との息もぴったり。煽らずとも、モーツアルトのメロディの美しさが浮き上がってくるような演奏。時々意識がオペラの舞台を離れて、音楽そのものを楽しんでしまったのは致し方ないと思う。日本人の若い女性が2人メンバーに加わっていた。(第一ヴァイオリンとオーボエ)MCOはエクサンプロヴァンスを根拠地にD・ハーディングとの演奏も多い。来夏は4年ぶりに夏のエクスを訪れる予定なので、MCOの演奏にスケジュールが合えば良いな・・・というより合わせる?。カーテンコールはオケのメンバーも舞台に上がって喝采を受けた

深夜の 帰り道が気になってゆっくりカーテンコールも楽しめないまま急いで外へ。すっかり涼しくなった夜道をウールのショールに包まって急ぎ足。人影は5分も歩くとぐっと少なくなるが、途中ライトアップされた豪壮な館が辺りを明るくして、一安心。10Mほど前を歩いていたご夫婦が、同じホテルに入って行くのが見えてますます安心。かくしてエジンバラの第二夜は充足と安堵に満たされ熟睡。


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