2008年冬の旅(RAGUSAへ 17) [2008冬ローマ、ナポリ、シチリア島の旅]
2/11(月)アグリジェント→コミソ→ラグーザ Mediterraneo Palace Hotel 1泊
アグリジェントに到着以来、遠くから眺めるだけだった神殿の谷の見学です。8:15に寒いホテルからようやく脱出。アーモンドは暖冬のため、花は散り加減でしたが、神殿の道には淡いピンクの花に黄色のミモザも青空に映えて美しいプロムナード。
東側から順番に、まずヘラ神殿(BC460年頃)へ。
女性のための結婚の神とのこと。手前私の立つ右が生贄を捧げた祭壇です。
古代城壁跡からの眺めも素晴らしく、遠くには地中海が見えます。
神殿の中では完璧に近い姿をとどめているのがコンコルディア神殿((BC430年頃)です。ドーリス式神殿をビザンティン時代にキリスト教の教会堂として転用されたため、生き延びることができたのです。
ヘラクレスの神殿(BC520年頃)は英国人のハードキャッスル卿によって発掘された8本の円柱が並んでいます。円柱の力強さが伝わってくるようです。
ゼウス神殿(BC480年頃)はめちゃくちゃに崩れていますが、ギリシア世界でも1番大きな神殿でした。傍らに屋根を支えていた巨人の像(コピー)。双子神カストルとポルクスの神殿を見物した後は、わんこたちのねぐら?神殿の谷ともお別れです。
次は州立考古学博物館へ。坂道を行くと博物館の手前にサン・ニコラ教会(13世紀)はロマネスク=ゴシック様式。
紀元前1世紀の小神殿、ファラリスのオラトリオ。
アグリジェント州立考古学博物館のコレクションは見ごたえがあります。先ほど見てきた巨石の崩れていたゼウス神殿の模型(コルク製)を見て説明を受けた後、本物の巨人の像、
ホテルの名前にもなっていたギリシア神話の女神KOREの顔の彫刻、多数の赤絵や黒絵のギリシアの壷に描かれたテーマも、面白いものがあります。とても珍しい白絵の壷は、イタリアに2個だけ(もうひとつはフェッラーラ)ですが、あいにくドイツに貸し出し中。
アグリジェトからシチリア南部をドライブ。ジェーラGelaから内部に入り、コミソの町から田舎道を走り、ようやく農家のレストランへ。アグリツーズリモは初めてでした。犬や猫にも歓迎?されて、中へ。
Torre di Canicaraoは宿泊もできる大きなアグリです。
メニュは前菜は野菜主体で10種類ほど。パスタはラビオリとパッパデラ。素朴で家庭料理風。美味でした。☆☆☆ しばらくいただいてから写真を撮ったので、あまり美味しく見えませんが・・・。
今日の宿泊地ラグーザに着くころは、どんよりと曇り空。丘の上の町までは徒歩で観光です。途中、小雨が降ってきました。本格的に傘を使ったのはここだけという、今思えば天候に恵まれた旅でした。この町は1693年に大地震があり、それまでの古い建物は倒壊してしまいました。その後、復興されたのですが、当時は時代が時代ですから当然バロック様式の町並みになりました。たったひとつ震災を免れたのは旧サン・ジョルジョ教会の門。
イブレオ庭園の城壁からの眺め、写真がぼやけていますが、中央右にカーブするシチリア鉄道のレールが見えました。パレルモの教会でであったシニアのご夫婦は、フリーで鉄道など利用して2週間かけてシチリアを回るとおっしゃってました。今流行りの鉄子さんではありませんが、私の旅好きになった原点は鉄路なのです。独りでも回れたかしら・・・とやや後悔。
この町は社交サロンの建物がいくつか。女子専用の窓の残るドンナフガータ宮(名前が・・・)、教会の信者さんたちのサロン(おじいさんたちが集まってました)などが、シチリアバロック様式の教会のある広場に面して建っています。ドゥオーモ(聖ジョルジョ教会)はその広場の高い階段のうえに堂々たる姿。椰子の木の並ぶこの広場はトルナトーレ監督の映画「明日を夢見て」にも登場するとのことです。
この裏道も貴族の館。丸い曲線が妊娠したバルコンといわれ、凝った彫刻で飾られています。迷路のような狭い路地を抜け、2時間ほどの町の見学は終わりました。
新市街のホテルは近代的な4☆、お部屋も広く、暖かで快適。
夕食はホテルのレストランで。きのことベーコンのリゾット(お米を食べるとほっとします)ポーク(不味い)。この日が40歳の誕生日というドライバーさんに皆でケーキのプレゼントとハッピーバースディの歌。彼、とても感激の様子でした。最初のパレルモから最終地のタオルミナまで一緒でした。運転のテクニックも、人柄も申し分のない方でした。
コメント 0