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2009年早春の旅21(ポルト) [2009春オペラと美術で世界一周]

3/24(木)

[バス]Porto-30-Paco de Sousa-30-Trouquela-80-Peso da Pegua[レストラン]-40-S.pedro de Aguias-140-Porto

今日はポルトから東、ドウロ川の南に点在する3つの教会を訪問しました。出発前は3教会なので楽勝と思いましたが、教会間の距離が結構離れているのに加え、最後のサン・ペドロ・デ・アグネス教会が予想を上まわる僻地にあり、最もハードな一日になりました。

パソ・デ・ソウサ Paco de Sousa  ソウサの谷にはいくつかのロマネスク教会があります。「ロマネスクへの道」の道標もあちこちで見かけました。最近はロマネスク観光に力を入れています。

しかし、その道しるべがあるにもかかわらず、バスは迷いながらようやくサン・サルヴァドール教会に到着。

サン・サルヴァドール教会/10世紀末に修道院として創建され、12世紀前半にクリュニー修道院の傘下に、そして13世紀の初めに現在の教会が完成。ロマネスク末期のバジリカ様式の聖堂で、一部ゴシックの影響もみられます。

西正面の幾重にもヴシュールに縁取られた薔薇窓と扉口が確固たるロマネスクの印象を与えてくれます。朝なので逆光のためカメラワークは最悪。

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扉口は浅い尖頭アーチの五重のヴシュールに囲まれ、それに続く10本の側柱は西ゴート風やモサラベ風の植物や幾何学文様の装飾。タンパンは中央に銘文(判読不能)。

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タンパン左右に太陽と月の擬人像

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タンパン持ち送り 右の人面

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左は舌で鼻面を舐める雄牛

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側柱の柱頭彫刻

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後陣外観には人や動物の持ち送りが何かを語りかけるような姿で並んでいます。

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北側に墓地があり、主後陣は方形、両脇に半円形の小後陣。

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内部は三廊式で、天井は木組み。

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入り口右に置かれているのはエガス・モニスの記念墓。現地でいただいたパンフレットにはエガス・モニスはポルトガルの最初の王の有名な騎士ということです。12世紀に製作されたこの記念墓の側面にはエガス・モニスの物語が刻まれています。

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内部の柱頭彫刻は私のぼろカメラでは到底上手く写りません。(涙)

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北側の回廊から見えた天使の十字架

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タロウクエラ Tarouquela ドウロ川の南は斜面に葡萄畑が続きます。世界的なワインブームを反映して、新築の家が目立ちます。その高台にある集落タロウクエラに入りますと、青空を背景に教会が見えてきます。

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サンタ・マリア・マイヨル教会/12世紀後半の建築。13世紀の改築で南側に墓地の礼拝堂が増設された関係で以前の外壁を飾っていた持ち送りなどが良好な状態で保存されていたのが印象に残りました。

長方形の身廊とやや幅の狭い長方形の内陣、正面南に方形の鐘塔というシンプルな外観です。花崗岩の外壁が丁寧に仕上げられていて、石積みの端正な美しさが目に残ります。

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扉口には三重の尖頭方アーチで縁取られたタンパンがあり、浅く彫られた「生命の樹」と左右には二頭のライオン。

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獣に喰われる人・・・この図像はこの後にもたびたび連環の形で登場してきます。

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内陣は華やかに装飾されていますが、右南側の側壁に建築当時の窓が残っています。

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上の写真の裏側です。持ち送り、壁、窓がロマネスクの残映・・・素晴らしい!!

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ペソ・ダ・レグアはドウロ河畔のワインをポルトに送り出す基地になっています。街中にはワイン倉庫や試飲をさせるショップなど並んでいます。ドウロ川の眺めの良いホテル併設のレストランでランチ。野菜サラダ、鶏肉と野菜の煮込み、デザートは本場のカステラ。

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ドウロ川に沿ってしばらく走り、やがて支流のタボラ川方向へ。その川を見下ろしながら、どんどん谷を登っていきます。川幅も狭くなり、谷底が見え隠れし、深い山間に入っていきます。

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まもなく見えた小さな集落の細い道を谷底の教会を目指して、慎重にバスは降りていきます。これが雨の日だったらと、ぎりぎりの路肩を見て、背筋が寒くなりました。

サン・ペドロ・デ・アグイアス San .Pedro de Aguias タボラ川の上流のこの深い谷間にはイスラムの隠者が住んでいたのですが、レコンキスタの進んだ11世紀、騎士テドンの兄弟が戦死した兄弟を弔うためにこの場所に教会を建てたのが始まりです。この谷間には修験者が篭るような祠のような簡素な建物が見えたり、森厳な雰囲気が感じられました。独りではとても来られないところです。

サン・ペドロ・デ・アグイアス教会/聖ペテロに捧げられた小教会。上記の兄弟の子孫がベネディクト派修道院にこの土地を寄進し、12世紀後半に現在の教会が完成。

手前のバスの駐車場から100mほど歩くと見えてきました。最近、瓦を葺き替えたばかりで思っていたより鄙びた感じはありません。

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大小の方形二つで構成された身廊と内陣。左の西正面には岩壁が迫り、右は谷間の崖という地形に孤高の姿。

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北扉口が私を呼んでいます。(笑)まず、遠くからじりじり近寄ります。

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タンパンに「神の子羊」その2 二重の飾りアーチに鳥の頭?が並んでいます。

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西正面は岩壁が迫り、写真を撮るのも岩を登らなければなりません。ここで怪我をしたら困りますからと私は適当に撮影。左には岩壁と教会をつなぐ石壁が見えます。このタンパンの模様はマルタの十字架と網目模様。浮き彫りが薄くなっていてカメラには良く写りませんでした。

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タンパンには波打つリボンに取り巻かれた十字架。二重の飾りアーチの内側は鳥?アーチの両端には四福音書記者を象徴する動物たちとユニークな装飾。

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内部は暗く、フラッシュは禁止なので諦めました。その上電池切れの赤マークが点滅。持ち送りの写真もありません。

ポルトまでの帰途は計画より1時間も遅れて8時過ぎに到着。夕食もホテルのレストランであわただしく済ませました。そのときいただいてきたメニュー表によりますと、ホタテのクリーム和え、グリルしたチキンのジャマイカペッパーソース添え、フルーツサラダのアイスクリーム添えをいただいたようです。

 この日が疲れのピーク、お風呂に入って湿布を腰や背中にペタペタ貼って就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 


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