2009年早春の旅22(ポルト) [2009春オペラと美術で世界一周]
3/25(水)
Porto-Travanca-Guimaraes-Ferreira-Porto
昨日の疲れもなんのその、朝からジーンズやパジャマの大物の洗濯を終え、元気に出発です。
トラヴァンカ Travanca ポルトの北東、バスで1時間ほどの緑豊かな谷間の町。教会は町外れに建っています。
サン・サルヴァドール教会/10世紀末にイスラムとの戦いで活躍した騎士が王から贈られたこの地に、現在の教会が建てられたのは11世紀末のことでした。
西正面 朝の逆光のため、良く写っていません。扉口は浅い尖頭アーチのヴシュール。柱頭は動物や人間の浮彫で飾られています。最後に撮影しようと思っていましたが、内部見学に時間がとられパス。
聖堂の横にはやはりロマネスク時代の塔が離れて建っています。塔のトップの狭間が要塞のような厳しさ。
塔の東側扉口タンパンに「神の子羊」その3
内部は三廊式で、身廊と側廊の東にそれぞれ大小の後陣。南北の小さな後陣は美しい曲線を描き付け柱の柱頭にはさまざまな凝った意匠の浮き彫りがあります。
浅い尖頭形アーチを戴く大アーケードと木組の天井の簡素な空間、柱頭の多彩な浮き彫りにも魅了されました。内部はフラッシュ禁止なので、写真はほとんどピンボケ。
教会北側の扉口の柱頭彫刻 人魚は内部にも多数ありました。
洗礼盤
後陣外観
ギマランイス Guimaraes 世界遺産に登録。初代ポルトガル国王アルフォンソ・エンリケス生誕の地として知られています。その王が生まれた城や洗礼を受けた礼拝堂、ロマネスク様式の回廊が残る美術館などを見学。
サン・ミゲル教会/旧市街に近い小高い丘の上に建つ城砦の入り口に建つ簡素な小教会。12世紀末のロマネスク建築のようです。
身廊と内陣は大小の長方形をなす構成。外壁の花崗岩が丁寧な仕上げで美しい。装飾は内部ともに少なく、扉口の尖頭方アーチがロマネスク末期の建設であることを示しています。
内部は木組天井を戴き、床の大きな敷石は王家に縁のある諸人物の墓石です。
←付近に咲いていた金鎖の花木
ギラマンイス城/10世紀にMUMADONA伯妃の注文で建設され、初代国王アルフォンソ・エンリケス(1110~1185)はこの城で生まれたそうです。12世紀と13世紀に改築。
今日はとても良い天気の遠足日和。幼稚園の子供たちも暑そう。
さすがに古い歴史を持つ町です。狭い通りの両側に14~15世紀の建物が並び、その一画のレストランに入ります。
写真の鶏肉の揚げたもの?のほかは何を食べたのか思い出せません。
ランチの後は町の散策をしながら美術館へ。
1342年にムーア軍に勝利した記念に造られたというアーチ
アルベルト・サンパイオ美術館/ノッサ・セニョーラ・ダ・オリべイラ教会(隣接)の修道院部分を利用した美術館。13世紀ロマネスクの様式の回廊と内側に展示室が並んでいます。展示されていた宝物箱に「神の子羊」その4があったようです。観たはずなのですが記憶にないため、情報をいただいた同行の方の写真をお借りしました。ありがとうございます!!
フェレイラ Ferreira ギラマンエスとポルトの中間にある田園風景の美しい村に教会が建っています。
聖ペドロ教会/創建当時の記録はありませんが、1281年にはアウグスティノ派の修道院教会でした。教会の建築はその様式から12世紀後半のものと推定されます。
正面には低い壁に囲まれたアトリウムと入り口アーチの右に壁状の鐘塔が設けられています。単身廊と内陣と半円形の後陣からなるシンプルなプラン。
南扉口、尖頭アーチのヴシュールにタンパンの装飾は残っていません。側柱には簡素な植物文様など。
内部は簡素な身廊に装飾豊かな内陣と後陣が見えます。後陣は上下二段に別れ、下段に深いニッチ、上段には小円柱と柱頭で飾られた小アーケードが並んでいます。復活祭が近いので紫色の旗が飾られていました。
後陣外観 少し小高くなっている裏の駐車場から撮影しました。
西正面扉口は5重の多弁形アーチの縁取り。側柱の柱頭の彫刻は複雑な動植物や組紐文様。
ポルトには順調に戻りましたので、一昨日眺めた対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ寄り道。ここにはワイナリーが並んでいます。黒いマントがひときわ目立つサンデマンで、ポートワインの試飲やショッピング。
ほろ酔いでホテルへ帰り、夕食はドウロ川に面した歴史地区の路地の海鮮レストランへ。カメラを忘れて、画像がありませんが、烏賊や蛸のフリットや海老などの入ったシーフードリゾットなど美味でした。
3泊したポルトのホテルとも明日はお別れです。荷物の整理をして就寝。この後は連泊がないので、荷物はあまり広げないようにしなければ・・・。
コメント 0