2009年早春の旅23続編(ポルト→ヴィアナ・ド・カステロ) [2009春オペラと美術で世界一周]
ポルトの北は見所満載のロマネスク教会が多いので、2度に分けてアップします。
ブラガ Braga ドウロ川流域と北のスペイン国境を流れるミーニョ川に挟まれた地域をミーニョ地方と呼びます。その中心都市がここブラガです。起源はローマ時代にさかのぼり、12世紀の初めにポルトカレ伯アンリがここに大司教座を設置。宗教都市として発展。
そのカテドラルの近くのレストランでランチ。イースターが近いので色を塗ったゆで卵。前菜のスープはポルトガルの名物ちりめんキャベツ入りのカルド・ヴェルデ、何度かでてきました。そして、肉料理とデザート。
ブラガ大聖堂/現在の大聖堂はゴシックとバロックの外観を見せていますが、ロマネスクの土台部分も見られます。初代国王の父エンリケ伯爵とその妻テレーザによって12世紀に建立。元は4世紀にムーア人によって破壊されたサンタ・マリア教会の跡地。16世紀に大規模な増改築。
その16世紀には国王にも勝る権力を持った大司教がいたそうです。その城のような大司教館を左手に進むと大聖堂の北側の入り口があります。
ガラス張りで保護されたゴシックの回廊にはロマネスクの柱頭彫刻も展示されていますが、撮影は不可。宝物室の見学の後は教会へ。ここは撮影可能かと勝手に思いこみ、有名なマヌエル様式の洗礼盤を撮影してしまいました。ごめんなさい。しかし、教会内部の撮影禁止はあまり経験がありません。こういうところにも昔の権勢を誇ったご威光が残っているのでしょう。
西扉口のタンパンの飾りアーチ ここにも怪物が人間?を飲み込んでいく恐ろしくもミステリアスな連環、そして狐や鳥など。
サン・フルトゥオーゾ・デ・モンテリオス教会/ブラガ郊外に建つサン・フランシスコ教会の敷地に隣接して、小さな教会が建っています。7世紀のブラガ司教聖フルトゥオーゾに捧げられた西ゴート時代の建築です。当時異端とされたアリウス派の多かった西ゴート族を正統派のアタナシウス派に改宗させたのがこの聖フルトゥオーゾなのです。この聖人の霊廟として建てられた教会は左のサン・フランシスコ教会から入ります
ギリシア十字の平面を持つ集中式の小教会
外壁には頂上部が半円や三角になった小アーケードの列。交差部にも低い塔がのり、その塔の軒下を飾るアーチは馬蹄形になっています。
内部は暗く湿っぽいけれど、神秘的で厳かな空間です。正式な入り口から眺めますと、奥と左右の三つの祭室があり、馬蹄形のアーケードでそれぞれが仕切られているのが分かります。
ここからノゲイラに向かうはずでしたが、計画を変更して明日の朝の訪問予定だったブラヴァエスへ。西日の当たる扉口見学&撮影のためです。
ブラヴァエス Bravaes ヴィアナ・デ・カステロからリマ川に沿って35km遡った村。ここの道路沿いに教会が建っています。
サン・サルヴァドール教会/1080年にカスティーリャの王族がここに修道院を創建。工事は1125年に始まりましたが、13世紀に入ってようやく完成。
単身廊と内陣は方形の単純な構成。
内部は内陣へのアーチの装飾が必見です。望遠カメラで撮影の同行の方に覗かせていただきました。人間?を飲み込もうとしている怪物の目の凄さ、口に赤い塗料が残っていて、とてもリアルで驚愕でした。
上の写真のアーチ中央の怪物たち。画像は↓NETから拝借しました。赤い塗料は当初は全体に塗られていたようです。
ここの一番の見所は西正面の扉口 カメラの調子が悪く(翌日は直りました)、致し方なくi phoneで撮影。五重のヴシュールにタンパンは荘厳のキリストと天使。
さらに注目させられたのは側柱左右8本と柱頭、このダイナミックな表現はポルトガルロマネスクのなかでも圧巻のものではないでしょうか。
南扉口には「神の子羊」その8、十字架を支えるために曲げた足が可愛いです。
北扉口 タンパンには二匹の向かい合う動物と十字架
さて、夕暮れになってヴィアナ・デ・カステロのホテルに到着。大西洋を望む山の頂上に建っています。初めて泊まるポウサーダ(国営ホテル)ですが、意外に近代的なインテリア。
夕食はここポウサーダのレストランで。ポタージュスープ、白身魚のフライと味付けライス添え、焼きりんご。美味しくいただきました。
おかげさまで今日でアクセスが100,000を超えました。ただし、このアクセス数というのはページビューのことですから。一人のかたが3ページ見ると3としてカウントされます。
2005年暮れに我が家のクリスマス飾り(インテリア)をアップしたのが最初でしたから正味3年4ヶ月くらい。単純計算で一日90アクセスとなります。最高は1週間前4/17の664・・・身にあまる数字に恐れおののきました。(笑)
とにかく励みになっているのは確かなことです。ありがとうございます!!
by alice (2009-04-25 00:43)
祝!! 10万アクセス!!
この日お昼に召し上がった「元祖カステラ」様のもの、おいしそうですね〜。玉子の黄身と砂糖のバランスのせいでしょうか、そそられます。今回帰国なさってすぐにいくつかアップされたあと中断があり、実はひそかに心配しておりました。やはり臥せってらっしゃったんですね。長旅の疲れがそのような形で出たのでしょう。メールを差し上げていいものかどうか...と思っているうちにアップが再開! 良かった、と私までホッとしてしまいました。
ポルトガルはペソアだのド・オリヴェイラ(ポルト近郊の出身)だの、ロマネスク以外にもいろいろ興味深いことがあるので、しっかり拝見させていただいています。
by Bowles (2009-04-25 11:07)
Bowlesさん
ありがとうございます!!
ポルトガルの元祖カステラはしっとりというよりべったりと甘すぎて、あまり・・・でした。好みでしょうけれどね。
昨年の打ち身のときも大変でしたが、やはり長旅はもう無理かも知れないと弱気になっています。家人にあまり心配もかけたくないので、こういう旅は今年限りにして、あとはのんびりします。
ポルトガルは南のリスボンと北のポルト周辺ではまったく違った表情を見せてくれます。ロマネスク教会だけでも痛感しました。文学のほうはまったく疎いので、Bowles さんのお勧めの本を読んでみたい!!ご紹介くださいませ。
by alice (2009-04-25 16:56)