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2009年初夏の旅20(ヴェネツィア→ウィーン) [2009夏仏、伊、スイスのロマネスクを巡る旅]

5/27(水)

[飛行機]Venezia12:25---Vienna13:40(OS)

 Best Western Hotel Beethoven 3泊

 べネツィアに再び来ることはあるのでしょうか・・・感傷的な気持ちを胸に、サンタルチア駅から運河にかかる新しい橋を渡りました。階段のあるモダンなデザインの橋です。スーツケースはチューリッヒのホテルに置いてきましたし、それほど重い荷物ではありませんが、休み休み橋を渡りました。年々確実に体力が落ちて、老いていく自分を認めざるを得ません。このぐらいなら去年まではすいすいでしたが・・・。

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橋を渡った広場はバスターミナルです。マルコ・ポーロ空港行きに乗り、30分ほどで到着しました。

フライトが1時間遅れ、ゲートで待つ間に、みるみる天候が変わってきました。朝は蒸し暑かったのですが、搭乗口から冷風が吹き込んできます。そして雨が・・・また、いつものケース。我ながら不思議なほどの天気女。滞在中は晴れていて、帰る日に雨になることが多いのです。

↓ 飛行機はプロペラ機でした。アドレア海を眼下にヴェネツィアとお別れ。

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ウィーン空港駅からエレベーターで地下まで降りると、市内までの電車が待っています。切符はホームで買ったほうがよいと、エレベーターで一緒になった日本人の若い男性が教えてくれました。車内でも車掌さんから買えますが、1€高いのです。ホームの自動販売機はカードで簡単に買えました。

20分足らずでミッテ駅に到着します。エスカレーターを上りますと、タクシーの客引きさんが待っていて、市内のゾーンによって定額制だからとのこと。ホテルは11€というのでお願いしました。駅から自分のタクシーまで荷物を運んでくれます。

ホテルはウィーン国立劇場まで徒歩数分、アン・デア・ウィーン劇場の角を右折した閑静な裏通りに建っています。部屋は明るく、広めで、朝ごはんも美味しく、いいお宿でした。

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↓ 荷物はこの国内線の機内持ち込みも出来る小型キャリーバックとガーナメントの2個です。教会のパンフやオペラのプログラムなどで、次第に重くなってきました。それでもこれだけで10泊して、オペラ観劇用の洋服や靴も含んでですから、やれば出来るのですね~。(今頃気がついても遅いですが)

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ウィーンはさすがに涼しくて、この日は20度くらいです。昨日までのイタリアの暑さから開放されて一息つきました。洗濯を済ませ、まずチケットを引き換えに国立劇場のボックスオフィスへ。もちろん劇場はまだオープンしていませんので、道路を隔てたショップへ。3枚を出してもらえると思ったのですが、今夜の「ウェルテル」1枚だけ。開演時間が7:30からなので、今夜のダブルヘッダーになんとか間に合いそうです。ここからミュジアム・クオーターまでが徒歩10分くらいと思っていたのですが、意外に遠くて15分はかかりました。焦って転ばないようにゆっくり歩きました。

ミュージアム・クオーターの中庭からEホールへ。会場は奥行きのある長方形の舞台に数百くらいの客席は階段状に並んでいます。オーケストラ・ボックスは手すりのパイプで隔たれているだけです。私の席は1列目のやや左側。目の前に日本人のコンサートマスター黒崎さんが座ってらっしゃいます。目が合った時、余程声をかけようと迷ったのですが・・・というのは札幌のオペラ仲間で外科医のK先生のご友人の息子さんなのです。でも、開演前の緊張されているときですから遠慮しました。

今夜の舞台は多目的ホールなので幕はありません。開幕までは小学生の女の子たちがダンスの練習に余念がありません。制服姿の可愛らしい子供たちに見とれているうちに演奏が始まりました。

(6)パーセル『ディドとエアーネス』 ウィーン芸術週間  
ミュージアムクオーター/Eホール 18:00開演

指揮:William Christie
演出:Deborah Warner

DIDO, KÖNIGIN VON KARTHAGO: Malena Ernman
BELINDA, IHRE VERTRAUTE :Judith van Wanroij
AENEAS, TROJANISCHER PRINZ: Luca Pisaroni
ZWEITE FRAU :Lina Markeby
ZAUBERIN :Hilary Summers
ERSTE HEXE :Céline Ricci
ZWEITE HEXE :Ana Quintans
SEEMANN :Ben Davies
GEIST: Marc Mauillon
PROLOG: Fiona Shaw

ORCHESTER Les Arts Florissants
CHOR Les Arts Florissants

制服姿の小さな女の子たちはパーセルが女学校の学芸会用に依頼されて作曲したというこのオペラの誕生秘話を表しています。ところどころに彼女たちのダンスをはさんで、ウエリギリウスの「アエーネス」の物語は進むという魅力的な仕上がりになりました。舞台も奥行きを活かして、白い宮殿風な装置を奥に、薄いベールやひも状のスクリーンを重ね、手前中央はモザイクをあしらった角型の大きな台が置かれています。シンプルな背景に衣装は古典的という私好みのものでした。

3年前、パリで演奏会形式ですがこのオペラを聴いています。その時はディドはノーマンが歌いました。ブログにも書きましたが素晴らしい歌唱でしたから、正直ウィーンでは私的には無名のメゾのMalena Ernmanに不安がありました。下調べでYOU TUBEで見たのはアグリッピーナのネローネです。いかれた(笑)ネローネでなかなか良いではありませんか、しかしズボン役と違って今回はなんと言ってもアエーネスに振られるとはいえ女王さまですから。

シルバーヘアにすらりとした肢体を黄色のドレスで包んだ美しいマレーナのディド。初めは緊張気味で、声もやや潤いにかけ苦しげではらはらしましたが、次第に悲劇の女王らしい哀愁を帯びた表現に落ち着きをみせてきます。そして最後のあの絶唱アリアも素晴らしく、喝采でした。

このオペラでは準主役といっても主役よりも多いくらいの歌が与えられているべリンダはパリに比べると物足りなかったほかは、アエーネスのピサロー二も好調でしたし、パーセルのバロック的な調べの美しさが良く伝わってきた演奏でした。

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終わったのが7時10分ごろ、カーテンコールのとき1列目ですから立って帰るわけにも行かず、ここで会場を後にしたのはそれから10分後、小走りに国立歌劇場へ。着いたのは7:35。幸いパルコでしたから係りの方が案内してくれまして、扉からそっと席へ。幕が開いたばかりのシーンから観ることができました。

(7)マスネ「ウエルテル」  ウィーン国立歌劇場  7:30開演

Conductor  Bertrand de Billy
Producer  Andrei Serban
Sets, Costumes  Peter Pabst
 ~
Werther   Ramon Vargas
Albert   Markus Eiche
Charlotte   

Elina Garanca

 

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ウィーンらしいオーソドックスな舞台にガランチャとヴァルガスのコンビの悲恋もの。そこそこ安心して聴いていられるのは良いのですが、さきほどの「ディド~」の刺激的な舞台のあとではなまぬる感があるのは否めません。ガランチャの繊細な表現には感心したものの、ヴァルガスはやや不調でした。

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それでも大層せわしなく行ったりきたりした割に眠気もなく、5年ぶりのウィーン歌劇場の演奏を愉しめました。さすがに疲れてお風呂に入ったらバタンキュー。

 

 


 

 

 

 


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コメント 2

bonnjour

ヴェネツィアからウィーンに飛んだ当日にオペラのハシゴとは、ものすごく充実した日程でしたね。それにしても会場の距離関係と開演時間が上手に折り合うと、このような離れ業もできるんですね。事前の綿密な計画の賜物です。

ヴェネツィアからウィーンへの移動ときいて、学生時代に初めてヨーロッパに旅行したときのことを思い出しました。イギリス、スペイン、イタリアと周遊して、ヴェネツィアから夜行列車でウィーンに移動したのですが、ウィーンの後は帰国便の出るパリに渡って旅行終了、という旅程だったので「またヨーロッパを旅行することはあるのだろうか」と名残り惜しい気持ちで一杯でした。当時は企業の夏休みも全般的に短くて、就職してしまったら近場以外の海外旅行は難しかったのです。


by bonnjour (2009-07-22 03:07) 

alice

bonnjourさん

ディドが1時間ちょっとの演奏時間だったのが成功?のもとでした。ウィーン芸術週間というので、初めはアン・デア・ウィーン劇場でするものと思い込んでいて、ホテルも極近くに予約というそそっかしさ。で、よくよく見たらミュージアム・クオーター・・・。(汗)

>事前の綿密な計画の賜物です。

でも、そういっていただけて、なんかいい気分になっております。(うふっ)

>「またヨーロッパを旅行することはあるのだろうか」

今やずーっと旅をしているようなものですね。羨ましい~!!

アメリカにいる娘夫婦も自宅は持ちながらも、なんか旅行気分が抜けないんだよね~と申しております。
by alice (2009-07-22 22:32) 

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