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2009年初秋の旅13(ローマ~パリ) [2009秋ローマからロンドンまで欧州周遊]
9/18 (土)
Roma11:20→Paris12:30(AF) Caron de Beaumarchais2泊
今回の旅のメインのイタリア(北ラッツオ&南トスカーナ)周遊も終わりました。行き倒れになることも無く(笑)、いくつかは体調を考慮して省きましたが、ほぼ計画通りに巡ることができました。
昨日のセーブが効いたようで、朝はすっきり良い目覚めでした。朝ごはんを3日ぶりにいただいて、移動の準備OKです。ホテルを8:30にチェックアウトして、テルミネ駅へ。
テルミネ駅で8:50発の空港駅までの切符を買おうとしていると、黄色いTシャツの男が近づいてきて、勝手に教えてくれます。嫌だ~怪しいと思い、買い焦って失敗・・・ダブってしまいました。お金頂戴と手を出すので、無視。(あんたのおかげで損したわ)来たとき以上に長いホームを延々と歩き、出発間際のエアポート・エクスプレスに駆け込み乗車。
パリ行きの飛行機は乗客の搭乗も済み、順調にさあ出発というときになって、座席の上の荷物棚の扉が壊れて、その修理のため30分以上も遅れて離陸。タクシーでマレのホテルに着いた時は3時を過ぎていました。洗濯と休息の後、5時ごろガルニエへ。
↓ 今回で3回目のパリのプチ・ホテル
ガルニエには5:30頃には到着しました。当日券に並ぶ時間はすでに過ぎていて、正面入り口の鉄扉が閉まっています。出発間際まで必死でパリ国立オペラのサイトやFNACも捜しましたが、今夜の『ミレイユ』はSOLD OUTでした。何ヶ月も前から日程は決まっていたのですが、マイナーなオペラですし、軽く手に入ると思っていて失敗でした。
そこへ私の様子をお見透しのダフ屋のおじさんが近寄ってきました。2階バルコ3列目2枚あるとのこと。(21€が50€!!)ここで待ち合わせたBonnjourさんの分も今買わなければなくなってしまう~と思いましたが、ご本人に訊かずして50€は右左に払う訳には行きません。とりあえず自分の分だけ確保して、6:30までガルニエ横のカフェでお茶。
後から気がついたのですが、当日券の売り場はガルニエの中から左側の通りに移動していたのです。そこに行けばもっと良い席があったかもしれません。(泣)
初対面のBonnjourさんと待ち合わせのとき、私はチケット求むのカードを持っていますとメールでお知らせしたのですが、そのこともすっかり忘れて(汗)キョロキョロ。そこへ宣伝用の雑誌などを運んできた青年が私にどうぞと手渡してくれたのが・・・
↓ジャルスキーの素敵な表紙!のパンフレット。
おおこれだ~!とそれで顔を仮面のように覆って、またキョロキョロ。なにせガルニエの前は人が多く、日本人の姿も何人か見えましたから。そこへ颯爽と黒いワンピース姿のジャルスキー命のBonnjourさんがいらっしゃいました。現在はフランス人のご主人とデンマークにお住まいですが、ジャルスキーのコンサートをヴィシーでご覧になったあと、パリに数日滞在されているところでした。ご挨拶もそこそこに、今この雑誌もらえるのよ~!(笑)
ダフ屋のふっかけ度がひどいから、諦めるとおっしゃるので、正義感の強い方なんだと、自分が恥ずかしくもなりましたが、そこはこちらも長年のミンコ追っかけですから、金に糸目はつけません(?笑)・・・。というわけで、開演まで少し立ち話をしましたが、明日の夜はお互いに空いていることがわかり、夕食の約束をしてお別れしました。
↓ ガルニエ21€の席。舞台は左の5分の一くらいしか見えません。立ち上がって半分くらい。ミンコの指揮でこんな席はもちろん初めてでした。でも、音楽だけでも楽しめればそれで幸せなこの夜の私でした。
Gounod『MIREILLE』
Marc Minkowski | Direction musicale |
Nicolas Joel | Mise en scène |
Ezio Frigerio | Décors |
Franca Squarciapino | Costumes |
Vinicio Cheli | Lumières |
Patrick Ségot | Chorégraphie |
Patrick Marie Aubert | Chef du Chœur |
Inva Mula Mireille
Charles Castronovo Vincent
Franck Ferrari Ourrias
Alain Vernhes Ramon
Sylvie Brunet Taven
Anne-Catherine Gillet Vincenette
Sébastien Droy Andrelou
Nicolas Cavallier Ambroise
Amel Brahim-Djelloul Clémence
Ugo Rabec Le Passeur
Orchestre et choeur de l’Opéra national de Paris
今シーズン開幕のオペラを指揮することになったミンコウスキーは、最近国立オペラ管とは上手くいってないような話を聞いていましたし、事実パリでの公演はほとんど手兵のMDLGとのものだったので、内心はどきどきでした。5月のチューリッヒのような疲れた様子はかけらもなく、にこにこと現れた元気そうなミンコにまず一安心。椅子に座って指揮をすることももちろんありません。この日がプルミエに続いて、2回目の公演でした。
牧歌的な前奏曲が始まり、木管が美しく響きます。あらっ!MDLGのほうからの特別出演?と思ったほど・・・巧くてびっくり。幕が上がると秋の刈り入れ前?の麦畑が黄金色に広がります。衣装も南仏アルルの民族衣装となんの変哲も無いオーソドックスな演出です。
グノーの音楽自体が有名な『ファウスト』や『ロメオとジュリエット』に比べると特別個性的ではないので、こんな感じで良いのではないでしょうか?フランスオペラらしい気負いのない調べのなかに、人の運命のどうにもならない哀しみが込められいます。初日はブーが飛んだというミレイユのInva Mulaですが、この日は一番拍手が多かったほど、素晴らしい歌唱でした。私の席からは遠目なので、少女っぽく可愛く見えましたし・・・。(笑)メゾのSylvie Brunet も大拍手。他の歌手たちも優れた演奏、安定していました。残念だったのはVincent のCharles Castronovo 、顔はハンサムだったような(すでに記憶が薄れています 汗)・・・それでも後半は盛り返していました。別のテノールSébastien Droyのほうが好きな声ですが、歌う場面が少なくて残念でした。2幕の城壁や海辺のシーンもシンプルですが、照明が綺麗で、アルルらしい情景を見せてくれました。こういう自然な情景あふれる曲でのミンコウスキーの演奏は上質なフランス映画を観ているような気分にさせてくれます。途中で立ち上がって舞台を観るのは諦めて、ただ音楽に身を任せていました。
お隣の席はギリシア人の中年女性。やはりダフ屋からストリートで買ったと言ってました。前は素敵な40代くらいのカップル、今はパリに住んでいるそうですが、リオ・ディジャネイロの出身というフレンドリーな南米人、インターナショナルなボックス席でした。
プログラムでは2回の休憩があると書かれていましたが、2回目は舞台の展開のために10分ほど、そのまま着席で待っていました。そのほうがドラマが途切れなく進行し、最後の感動的な演奏に繋がったと思います。予定の終演よりも早く、11時少し過ぎには宿に帰ることができました。
夜食はまたもや粗食・・・レトルトの五目御飯とカップ味噌汁。明日の夕食を楽しみに就寝。
ダフ屋の件ではお気を遣わせてしまって、申し訳ありませんでした。正義感はないのですが(笑)、ダフ屋の上乗せ分の29ユーロがあったらレストランで美味しいものが食べられる、なんて計算してしまいまして...。要はミンコ様への愛が足りなかったのですね。これがジャルスキー君のコンサートだったら、ゼニに糸目をつけず、ダフ屋の餌食になっていましたとも!
ともあれ、割高にはなりましたがaliceさんは念願の舞台がみられてよかったですね。
お礼が遅くなりましたが、札幌農学校クッキー、日本からはるばるお持ちいただいて恐縮でした。堪能いたしました。ミルクのほのかな香りがする繊細な味で、やっぱり日本の洋菓子のレベルは高いですね。北大の認定を受けた商品ということで、日本滞在中に2度ほど北大に出張したことのある夫も「オクダイのクッキー!」と喜んでおりました。
次に日本またはヨーロッパでお会いできる機会を楽しみにしています。
by bonnjour (2009-10-17 08:07)
bonnjourさん
「オクダイのクッキー!」(笑)喜んでいただけて、嬉しいです。
私の場合言うまでも無く、ジャルスキー<ミンコなので、11月の東京はミンコ優先にさせていただきました。でもジャルスキー君は名古屋まで追っかけますから、お許しを・・・。(笑)
東京ではBonnjourさんに再会できそうもなくて、それだけが残念です。(涙)
by alice (2009-10-17 17:13)
アリーチェ様
ミンコ&ルーヴル宮の来日公演、良かったですよね!
アリーチェさんのこれまでのミンコ追っかけ記、読ませていただきました。
私のブログでのResでも書きましたが、10年以上も前からのファンだなんて、すごい。欧州のクラシック界では非常に名が知れていますが、日本ではまだ「知る人ぞ知る」くらいのマエストロですから。
でも、今回の来日の評判で、一躍有名になるかもしれませんね。
ちなみに私のミンコ初体験・・・2001年8月ザルツブルグ音楽祭の「こうもり」。
音楽祭始まって以来の大騒動となったノイエンフェルスの衝撃的演出でした。
作品のあまりの変わり様に私も開いた口が締まらず、終演後はすさまじいブーイングでしたが、ミンコだけはにこにこ顔で喝采に応じていたことを思い出します。
by hbrmrs (2009-11-08 17:45)
hbrmrsさん
>でも、今回の来日の評判で、一躍有名になるかもしれませんね。
そうなって欲しいです!!
6日以外の公演はチケットの売れ行きが良くなかったらしいので、もう来日してくれなかったらどうしょうと・・・涙でしたが、6日はなんとか席も埋まり、ミンコ&LDMGのフランスの香り漂う演奏に心奪われた方たちも多かったと思います。次回はぜひオペラでの来日を期待しましょうね。
すでにご存知かもしれませんが、MIXIに友人が「ミンコ狂」というコミュを作っています。そのつながりで、私の周りはミンコファンが多く、今回も大変な盛り上がりでした。
>ちなみに私のミンコ初体験・・・2001年8月ザルツブルグ音楽祭の「こうもり」。
あの問題のこうもりをご覧になっていたのですね。批評でも演出はブーイングでしたが、演奏はすこぶる優れていたとの評にほっとしたことを思い出しました。
今までは1年に1度くらいしか聴けなかったのですが、今年は5回(うちオペラ3回)というミンコ当たり年になりました。次回はいつになるでしょう・・・。
by alice (2009-11-08 23:16)