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2010年秋の旅 9(パレ・ル・モニアル) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

9/28(火) ブリオネ・ツアー

今日はこの旅のハイライト、 ブルゴーニュ・ロマネスクの中でも注目のブリオネ地方の聖堂巡りです。朝食室(レストラン)は暖かいので、なるべくゆっくり食事をしました。この2☆クラスにしては茹で卵も付いて、まずまず美味しい朝ごはんがいただけました。

ブリオネの前にここParay le MonialBsilique du Sacre Coeurの見学を済ませました。あいにく霧雨の降る寒い朝でした。

↓ 運河の方向からの正面全景。3つの鐘塔のバランスが絶妙です。元は11世紀の聖堂でしたが、現在の姿は12世紀中頃にクリュニー修道院を手本に建てられたものが主です。端正でモニュメンタルなその姿に、ロマネスク建築の完成された美しさを観ました。正面右の塔は11世紀、左は12世紀。

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↓ 内部は三廊式。内陣周歩廊が巡礼式教会の役割を示して、そこに暗い朝でも上部からの光が満ちています。半円蓋に描かれたビザンチン風「栄光のキリスト」画は14世紀の作品。

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↓ 玄関ポーチのナルテックスに戻り、柱頭彫刻の見学。

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↓ 後背部は八角形の鐘塔を頂点として、後陣と袖廊に放射状に配された5つの小祭室を底辺に重量感にあふれ、安定感のある構成。ところが南扉口を観るのを忘れてしまいました。今これを書いていて、気がつきました。これは痛いです~。

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10時に予約をしていた昨日のドラバーさんが時間かっきりに迎えにきてくれました。行程表を改めて説明して出発。スミュール・アン・ブリオネでのランチ1時間をはさんで、8教会を見学します。

初めはパレ・ル・モニアルから15KのMontceaux-L'Etoileへ。Eglise Sts-Pierre et Paulはイギリスの大学生らしい数名のグループがすでに扉口の前で熱心にガイドの話を聴いていました。

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↓ 小さな教会(1125)ですが、この薔薇色がかった石がなんともいえない美しさ。タンパンにはアーモンド形に包まれたキリストの昇天。両脇の天使がよっこらしょ!とそれを背に持ち上げる様子。空間を埋める天使の羽と衣装の裾翻るさま。リンテルのその聖なる光景を仰ぎ見て驚く人々、アクティブな劇的表現に魅了された。

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さて2番目はモンソー・レトワールから数キロのAnzy-le ducEglise de la Trinite,Ste-Croix et Ste-Marieです。

↓ 門からのアプローチが長いのも印象的。

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↓ Anzy-le Ducの扉口タンパン「キリストの昇天」とアーチヴォールトを飾るユダヤの長老たち。

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↓ ここは扉口だけでなく内部もみごたえのある空間が広がっています。このとき英語版の分厚いガイド本を片手に熱心に鑑賞している初老の男性(イギリス人)と挨拶を交わしました。この後何度か鉢合わせしました。内部は三廊式で、後陣は5つの小祭室が連なるプラン。天井やその周辺の壁画は19世紀に漆喰の下から発見され、かなり修復の手が入っています。

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↓ 複合柱に緻密に刻まれた魅力的な柱頭彫刻が見られます。平面図をチェックしたところ40もあったようですが、暗いのとカメラのフラッシュが不調で、ほとんどピンボケ・・・。

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↓ 髪の短い?サムソン

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↓ 南側からの外観。

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この日巡った8教会のなかで一番良かったのはここアンズィ・ル・ダックでした。絵葉書売り場などはありませんが、門の向かいにあるカフェで購入できます。

3番目の訪問地はSmur en Brionnaisです。この村は「フランスの美しい村」に選ばれただけあって、古いシャトーや教会の残る静かなところです。Eglise St-Hilaire(12世紀中頃)の後陣側に車を駐車。見学と昼食のため1時間半後に戻ることを伝え、早速教会へ。

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↓ 西正面外観

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↓ 緻密に彫られた彫刻で飾られた扉口、ヴシュールの頂点に神の子羊。

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↓ タンパンにはマンドーラに座す「荘厳のキリスト」と4福音書記者のシンボル。リンテルは聖イレーヌの物語。

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↓ こちらは淫乱の戒め?どちらも怖いけれど、蜘蛛の巣だらけだわと眺めていますと、教会のなかから懐かしい日本語が聞こえてきました。

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↓ 大学のゼミ?の生徒さん10人くらいと引率の先生が見学中でした。謙虚な?おばばは「こんにちは!」と挨拶だけして、自分は自分で内部を見て回りました。この後は見かけませんでしたので、反対周りのコースだったのかも・・・。

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↓ 南側外観。8角形の低い鐘塔。

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↓ 駐車場の反対側にシャトーの廃墟。真紅の薔薇が秋の不安定な空をバックに咲いていました。

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↓ 教会の傍にレストランがありました(グリーンの看板)。この近辺を散策しましたが、他に食堂らしきものは見当たらなかったのでここでランチ。

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↓ 牛肉のカルパッチョ、一皿とワイン、コーヒー、ピッチャーの水は無料(ここだけでなく、カジュアルな店はミネラルウォーターを頼んでも只の水道水?を持ってくるところがほとんど)。

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続きます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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コメント 2

Cojico

aliceさん

お久しぶりです。ちょっと忙しくて、ネットに書くことも見ることもあまりしていませんが、あまりにも教会の装飾が面白いので、思わず書いてしまいました。

ブルゴーニュには、有名なトウルニュとかクリュニーとか以外に、こんなに素敵な教会がたくさんあるのですね。私もゆっくりと車で回りたいと思いながら、未だに実現さていません。
いつか回れる時が来たら、ゆっくり教会の名前をチェックしながら、参考にしたいと思います。

by Cojico (2010-11-23 17:37) 

alice

cojicoさん

ブルゴーニュ地方の南端の区域にこんなに粒ぞろいの教会が揃っていることを知ったのは旅の計画を立て始めてからなのです。

それで、どんどん日程が延びてしまって、家人の顰蹙を買ってしまいました(汗)。

ここは良心的なタクシーの運転手さんに当たって、本当に幸運でした。貸切の単語が出てこなくて、焦って電子辞書を見せてようやく通じました。目的地に着くたびにメーターを切ったからゆっくり見てきていいよと言ってくれました。回った時間や距離に換算すると今迄で一番リーズナブルだったと思います。

でも、レンタカーで回られるのが一番ですよ~。
by alice (2010-11-23 22:42) 

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