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2010年秋の旅 13(ブールジュ~トゥールへ) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

10/2(土)bourges9:00頃(タクシー)→Vierzon11:00頃/11:14(列車)→Chateauroux11:50/14:58→Vierzon乗り換え→Tours17:50

Tours  Hotel De L’univers    1泊175€(朝食別途15€)

昨夜、計画を見直してベリー・ロマネスクをヴィエルゾンまでの2教会に絞り、ヴェルゾンから直通の列車でシャトウルーに入ることにしました。今日はフランスのロマネスク壁画の中でもベストワン&ツーを占めると思われる2教会の訪問です。

まずBrinayへの途中にあるMehun s/YevreAncienne Collegiale Notre-Dameに寄りました。ブールジュから北西に16Kのシェール川の畔の町の旧市街に建っています。すぐ近くに廃墟のお城が見えました。あいにく、教会は閉鎖中なのか鍵がかかっていました。道行く人に尋ねましたが・・・なんか通じませんので諦めました。外観の写真だけです。

↓ 丘の上の駐車場から教会へ。正面扉口は鐘塔の下の玄関ポーチ側にあります。

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↓ 教会からの坂道が街に続いています

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↓ その坂道を少し下ったところから

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↓ 外壁に神の子羊と十字架

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↓ 後陣方向から廃墟のシャトーを撮影

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次はBrinayEglise St-Aignanへ。サン・テニアン教会はベリー地方のロマネスク教会の中でも1913年に壁画が発見され、一躍注目を浴びたところです。教会の歴史は定かではありません。一説にはあのベリー公の田舎の隠れ家がこのあたりにあり、かの有名な「ベリー公の優雅なる時祷書」にも関連があると噂されたりしています。

農家や屋敷が点在している小さな集落の中にひっそりと建っています。前面の張り出しは小さなポーチになっています。正面の切妻が東方的なイメージ。ひなびた周辺の雰囲気(なんと!孔雀が散歩していてびっくり)がなんとも牧歌的でした。

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↓ 教会に入りますと、ちょうど管理人のおばさんがお花を取替え中でした。私はその光景を撮りたかったのですが、さっと身を隠して邪魔にならないようにとの気配り・・・恐縮でした。

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↓ 内陣へのアーチにゾディアック-12ヶ月の労働が描かれています。

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↓ 北と東壁

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↓ 東と南壁

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↓ 北壁上段のマギの旅

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朝の光線が弱かったので、不鮮明な写真ばかりです。相変わらず、どういうわけかフラッシュが焚けません。下は絵葉書(キリストの荒れ野の誘惑)です。

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ポストカードを並べてある机の傍にブリネーのカレンダーとのタイトルで、予想通りベリー公の時祷書との比較画像の説明分。この壁画とは300年の差がありますので、一概にはいえないようですが・・・。素晴らしい壁画をみることができて大満足。気のつく運転手さんが私の嬉しそうな顔を見て、記念撮影してくれました。

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ヴィエルゾンの駅で降車(タクシー代90€)して、駅舎に入りました。日本語が聞こえ、思わず振り向きましたら、若い二人の日本女性が、あらっ!とお互いに驚きました。ヴィエルゾンの方と結婚されてこちらに在住されていらっしゃるそうです。日本人の観光客は滅多に会わないようです。時間もあまりなく詳しいお話は出来なかったのですが、バスの便がなくて不便と言いましたら、私たちも車がない生活は考えられないとおっしゃってました。ですから日本だけでなく、どこも近くの商店より郊外の大型スーパーのほうが駐車場も広く、繁盛するのですよね。

ヴィエルゾンからシャトウルーまで列車(片道15.9€)で向かいました。シャトウルーは大きな町なので降りてみればタクシーも何台か止まっています。ほっとして、駅構内のバールでバゲットにハムとチーズ、コーヒーで軽くランチ。トイレも済ませていざ出発です。タクシーで20分ほどでノアン・ヴィックに到着。

Nohant-VicEglise St-Martinにとうとうやってきました。今回の旅ではここだけがトゥールからもブールジュからも離れていて無理なように思えて、随分迷いました。でもでも移動手段を調べているうちに、多少の時間のロスは大丈夫では?と決心したのです。シャトウルーから30Kとはいえ田舎道で車も少なくスムーズでした。そしてブリネーと同様に独占状態での鑑賞ができました。自力でここまで来れた嬉しさと、ロマネスク壁画の素晴らしさに打たれ至福の時間を過ごしました。

教会の歴史は4世紀にまで遡るようです。11世紀末にクリュニー派のデオル修道院の管理に入りましたが、フランス革命の後は納屋として使用されていました。1849年に漆喰の下から発見され、ジョルジュ・サンドが当時の総監メリメに歴史的記念物として推奨、国家の保存下に入りました。

↓ 外観はあまり特徴のない田舎のシンプルな教会ですが

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↓ 一歩足を踏み入れますと・・・目前に広がる美しき新約の世界。木組み天井、単身廊、方形の内陣。

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↓ 内陣障壁、内陣の四面、後陣に褐色系に白、赤などの色鮮やかなフレスコ画が展開。

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↓ 内陣東壁、南側の窓

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↓ 内陣東壁、北側の窓

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↓ 内陣北壁中段 一段と目を引かれる、ドラマティックな「ユダの接吻とキリストの捕縛」

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↓ 西壁上段「最後の晩餐」

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↓ 内陣南壁上段「エルサレム入城」

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↓ 後陣入り口アーチにセラフィン、後陣上段に「荘厳のキリスト」下段左に「ペテロの殉教」右にヘロデ王の前に立つイエス

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↓ 内陣から入り口を見る

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↓ 「ご訪問」

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↓ 後背部外観 周りの道路を工事中

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ここから車で数分のところにジョルジュ・サンドの館があるから案内するという商売上手な運転手さんに乗せられて、行ってみました。平野啓一郎の『葬送』にもでてくるショパンも逗留したというメゾンです。ショパンの記念の年ですしね。敷地に入るとホテルやブックショップの建つ観光名所になっています。

↓そのなかに鄙びた小さな教会があり入ってみました。

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↓ ジョルジュ・サンドの好み?のままに遺されているのかしらと思えるロマネスクの小さなチャペル。

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↓ 館は時間がなくてガイドツアーには参加できず、内部は見られませんでした。

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シャトウルーの駅に戻り降車(タクシー代100€)、まもなく来た列車に乗ってヴェルゾン経由でトゥールへ辿りつきました(片道38€)。10日間のロマネスク巡りの最後の宿泊地です。駅から200メートルほどの距離のホテルへ。駅にも近く、Booking.comでも評判が良いので決めたのですが・・・。部屋は広く3人は宿泊できる2部屋続きのファミーリータイプなのですが、古ぼけて薄汚いのです。ベットの脇のスタンドも普通は両脇なのに片側一つだけ。おまけに電球切れ。その電球触ってぞ~、埃だらけ。古くても掃除がキチンとされていれば文句はないのですが。今回の旅では4☆なので、料金は一番高かったのです。もう、がっくりでした。

とにかく氣を取り直して夕食へ。この付近では評判の良いオデオンというお洒落なレストランへ。予約なしでひとりですが、OKでした。ホテルの前の街路樹の並ぶ通り。

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↓ 夕暮れのトゥール駅

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↓隣の席には日本人のシニアのご夫妻。お話してびっくり!北海道の伊達からのフリー旅の方たちで、列車でドイツアルザスからフランスへ1ヶ月の旅の途中でした。お互いに道産子なので打ち解けてお喋り。そのうえ伊達には共通の知人がいることも分かって・・・ホントに世間は狭いです。おかげさまで楽しい夕食になりました。

3コースのムニュにワイン、コーヒー、水で40€

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久しぶりに日本語しかも北海道弁丸出しの会話(笑)をして、疲れも取れた思いでした。

夜のTVでサルコジ夫人の華やかな特集を1時間もしていました。日本の皇室特集と変わらず・・・よいしょ番組。再びゼネストの起きるらしいという情報があるのも気になりましたが、聞き取れません。今日は移動が長かった割りに元気でしたから、この調子で予定をクリアできますようにと、願いながら就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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Cojico

Nohant Vicは、私もとても行きたいです!!!
壁画に力強さを感じました。素敵です!

by Cojico (2010-11-23 18:13) 

alice

Cojicoさん

Nohant Vicの壁画は『ロマネスクの図像学』の表紙を観たときからの憧れでした。

サン・サヴァンの壁画より直接的に語りかけられる魅力があります。大胆で力強い線描はスペイン系のようですね。

3年ほど前パリのシャイヨ宮の博物館で、コピーを観たことがあるのですが、本物はやはり凄いのなんのって・・・(笑)。
by alice (2010-11-23 22:59) 

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