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2010年秋の旅 14(トゥール) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

10/3(日) Tours10:08→St-Aignan-Noyers10:48/14:14→Selles sur Cher14:23/18:19→Tours19:08

Val de Loire ヴァル・ド・ロワール・ロマネスク巡り

今日もまた効率の悪い日になりました。日曜日だったため列車の本数が少なく、一日ががりで列車と徒歩で、2教会を回りました。トゥールの東ロワール河の支流シェール川沿の町にそれぞれ個性的な教会が在るのです。(往復19.8€)

トゥール駅から50分ほどでサン・タグナンの小さな駅に到着しました。駅前にタクシーがいたら乗ってしまおうと思いましたが・・・その姿はありません。ここの駅は丘の上の旧市街から2K離れています。駅前を少し左に行くと大通りがあり、旧市街への看板が見えます。ローターリーのあるところまで真っ直ぐ1キロくらい。朝は寒かったのですが、歩いているうちに日がさし、結構暑くなりました。

このローターリーを越えると右手に広いガーデンのあるロジ・ド・フランスの宿がみえました。カマドマークがついた宿なのでお勧めのレストランもあるようです。↓素敵な建物なので、ランチだけでもここを利用しようと思い、建物(ホテル)に入りますと、レセプションがあり、ランチの予約ができました。   i Padや寒い時用のストールなど邪魔になるものはここに預け、小さなバックとカメラだけで旧市街を目指しました。

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300Mほどで、橋の向こうに教会が見えて来ました。この道はひっきりなしに車が通ります。シャトーも教会に並んで建っています。見所も多いのと日曜日で、かなりの観光客がきていました。ロワール河の支流のシェール川を背景にした旧市街の素晴らしい眺め。橋を渡り、左手に坂を少し登って行くと教会は意外に近くにありました。

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St-Aignan sur CherAnciennne Collegiale St-Aignan 11世紀中頃から12世紀に建てられ、ベリーのサンテニヤン教会として知られていました。その後は多くの改築を経て15世紀には祭室も付け加えられ、鐘楼も14世紀に再建されました。内部には250にのぼる柱頭彫刻が保存されています。ここのクリプトは聖書の物語が描かれていますが、ほかに観られない、例えば荘厳のキリストの足元に不具者が描かれていたり、聖ヨハネに天使がBook(聖書)を与える場面など・・・それでこのクリプトを「Chapel of the Book」とも呼ばれています。

今日は日曜日、ミサの最中なので15分ほど後の壁際のベンチで待ちました。小さな女の子の白い聖歌隊姿が可愛らしい。ミサが終るとぞくぞくグループの見学者が入ってきて、賑やかになりました。そしてそのほとんどがガイドさんの案内で、クリプトに降りていきます。ここはクリプトの壁画が有名なのです。私もくっついて降りていったのですが、真っ暗闇。どうやら照明が故障しているようです。それで、ここでは一番有名な中央祭室の「荘厳のキリスト」が全く見えません。当然ざわざわしているうちに、一緒に入ったグループのなかの私ぐらいの歳の女性が、突然倒れてしまったのです。大騒ぎでしたが、ほどなく眩暈程度の軽い症状だったらしく上に連れて行かれて、騒ぎも収まりました。

そんな騒ぎのなか、南窓の明かるい祭室はなんとか写真を撮ることができました。他のロマネスク壁画に比べると多彩な色が美しく、かつ独自性に富んでいます。

↓ 「神の子羊」と「聖ジルの物語」

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下の2枚はパンフレットから

↓ 「荘厳のキリスト」マンドーラのなかに使徒たちを包み込んでいる珍しい表現。

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↓ 「ラザロの墓の前のキリストと使徒たち」

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1時近くになり、ロジ・ド・フランスのレストランへ戻ってランチ。さきほどのホテルの建物を抜けると  ↓別棟のレストランです。サービス、味も流石に良いのですが、私には量が多く、半分でお腹がいっぱいになりました。3コースムニュ、ワイン、コーヒー(44€)。時間になり、急ぎ足でも15分かかる道を、ギリギリで駅に戻りました。

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ここから数分列車に乗って隣り町のセルズ・シュル・シェールへ。行く前はサン・タグナンよりも小さい街と思いましたが、駅前も旧市街も比較的大きな町でした。この日は日曜日で列車の便がより悪い日に当たってしまいました。ここでは急いでも仕方がないのです。時間はたっぷり。駅前のバールがあいていたのは本当に助かりました。行き帰りここに寄って休息とトイレタイムがとれました。

駅から旧市街までは1キロくらい。↓シェール川にかかる橋からの左右の眺め。

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橋の向こうが旧市街です。秋の花々が綺麗に飾られた静かな街。日曜日なのでほとんどの店はお休みですから、眠ったような街。歩いている人も極わずかでした。

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Selles-sur-CherEglise Notre Dame la Blanche  5世紀の古い教会が基礎となって12世紀から13世紀にベリー地方の王侯貴族の修道院として発展しました。ロマネスクとゴシックの様式が見られます。宗教戦争によってダメージを受け、またその後2世紀にわたる貧弱な修理も続きました。1882年と1904年に大規模な修理を行い、最終的には20世紀の最後の10年間に屋根の葺き替えを行い完全な教会の姿になりました。後陣に放射状の3つの祭室と袖廊の2つの祭室、三廊式の身廊、北壁と内陣の周歩廊は14世紀と現代の改修。

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内部はそれほどの個性的な柱頭彫刻も壁画も見当たりません。そういえばここは予習は完全ではなく、あまり情報をとらないできてしまったのです。でも、何かありそうな予感が・・・なにげなく壁の案内板を見ましたら、古い写真(ロマネスクのレリーフ)が貼ってあります。お~こう言うものがあるんじゃないか~と勇んで裏に廻ってみました。ここのお宝は後背部にあったのです。3つの後陣に二段にレリーフがビッチリ彫ってあります。そのなかに何度か写真で観たことのある受胎告知やラザロの蘇生が・・・夢中になって眺め、写真を撮りました。

↓ 上下2段に分かれたレリーフ。上はSt-Eusiceの物語、下は新約の物語。

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↓ 下層のフリーズ「ピラトの前に連れてこられるキリスト」

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↓ 左に「サン・ゲオルギウスのドラゴン退治」

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↓ 「弟子の足を洗うキリスト」、右のマグダラのマリア

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↓ 「受胎告知」

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↓ 上層のフリーズ St-Eusiceがどういう聖人かわかりませんので、解析できず・・・。

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見学が終わっても、まだまだ時間があります。また、駅前のバールに寄って、列車の時間迄ゆっくりお茶。これまでフランス国鉄は時間にとても正確だったのですが、この時だけは30分も遅れました。とても疲れてトゥールに戻りました。

夕食はホテル近くのアジアンのレストランへ。ブッフェスタイルで気軽で安いところでした。昨日のフレンチの半額です。席につき食べようとした時です。日本人の50代くらいの女性が現れ、ご一緒しましょうというのです。願ってもないことと早速同じテーブルにつきました。
やはり独り旅の方で、ご自分でおっしゃるには川崎在住の普通の主婦ですが、アルバイトなどしてお金をためては旅を愉しんでいるそうです。今や抱っこにおんぶ状態の私は恥かしい~。ノートパソコンを持参しているというので、私はこれよとi padを見せると実際使っているひとを初めて見たとか。やはり軽いのがその方も魅力ねとおっしゃって・・・無線LANはこのお店にもはいっていてネットに接続するところも見せて、自慢しちゃいました。独り旅同志的親愛夕食でした。食べ放題、ワイン(明日訪問予定のソミールの赤ハーフ)、ジャスミン茶含めて25€

↓ 海老と螺貝もプリプリ。

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餃子、シュウマイなどの点心、お寿司焼き鳥なども・・・。

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ここのひどい4☆ホテルの話から、夕食を共にした彼女は駅の隣の宿で50ユーロで、湯沸かしも付いているそう・・・まだまだ修業が足りない私でした。このホテルは日本人の団体さまも多く、JTBと阪急のツアーが入っていました。トゥールはシャトウ巡りの基点の町です。そういえばシャトウを見る暇はやはり無さそう・・・。


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