2010年秋の旅 16(トゥール~パリへ) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]
10/5(火) Tours12:31(train)→Vendome13:38/17:48(TGV)→Paris18:30
Paris Pavillon Saint-Louis Bastille 1泊 132€(朝食込み)
今日も朝からどんより曇った暗いいち日でした。パリにも直通で帰る訳ではなく、大事な寄り道が控えています。体調を整える必要もありますので、トゥールの市内観光はパスして、正午のチェックアウトまで宿でのんびり過ごしました。気に入らなかったトゥールのホテルですが、一応写真を撮りました。
↓ トゥール駅 ここから自転車で城廻りする人も多いようです。
ヴァンドームまでは在来線です(11.6€)。かなり濃い霧の立ち込める農地や谷間を抜けて1時間ほどの列車の旅。ヴァンドーム駅は旧市街から1Kあまり離れています。駅前のレストラン(イタリアンのチェーン店/Teatro alla Scala )でランチ。前菜の盛り合わせとパスタ、グラスワイン、コーヒー(21€)。味は悪くはない・・・の程度ですが、結構混んでいました。
お勘定を済ませ、タクシーを呼んでもらいました。まもなくやってきたタクシーに乗り込み、今回の旅の最後のロマネスク巡りへ。
Montoire sur Loirはヴァンドームから西へ19Kの小さな町。街の中央の広場にある(i)で、2€を払い鍵を借りるシステムになっています。時間に余裕があればブロアやヴァンドームからバスが利用できるのですが、本数が極僅かなので、やはりタクシーになってしまいました。広場から伸びる街路の右横丁から見える白いドアがChapelle St-Gillesへの入り口です。
サン・ジル礼拝堂はロアール河の支流のル・ロワールの畔に建つ11世紀の小さなお堂です。川の近くで、お城もここから見え、風光明媚な土地柄です。後陣と南北の袖廊が三つ葉のようにこじんまりとまとまって、大きな聖堂では経験できない親密な祈りの空間がありました。サンティアゴ巡礼の道筋でも人気があったのではないかしら。ロマネスクの壁画はいうまでもなく、私たちが一般の絵画を観るのとは異なります。時祷書を壁に映したペインティングであり、字を読めない人たちへの聖書のメッセージであり、窓が小さく壁面の広いロマネスク建築から生まれたものです。柱頭彫刻と同様の多くの制約や年月の重みが、ロマネスク聖堂の壁画を前にするとひしひしと伝わってきます。
↓ 扉を開けますと、小さなチャペルの後陣が・・・。
↓ 正面右に小さなドアがあり、古い鍵なので合わせるこつが難しく、焦りつつガチャガチャ。ようやく開きました。
↓プラン
↓ 正面東側の後陣 「荘厳のキリスト」足元に四大福音書記者のシンボルと飛翔する天使たち。 白地に褐色、黄色、淡い緑の色調が爽やかなイメージ。勝利のアーチに神の子羊とセラフィン。
↓ 勝利のアーチの内側にアルファとオメガを両側に記された全能のキリスト。
↓ 南袖廊の「荘厳のキリスト」 上の二つとは異なり、ビザンティン風。多彩な画風、厳しい表情のキリストの頭上に「神の手」。上と共通するのはキリストの座る姿勢と上下二つのマンドーラ。
↓ 飛翔する天使たち
次に向かったのはLavardinです。モントワールからは車で数分の距離にあり、セットで訪れるには好都合なうえ、ここは「フランスの美しい村」に登録された街です。しかし、観光客の姿は見当たりませんでした。暗く、たまに雨も降る日だったからということもありますが、近じかゼネストの予定もあり、観光客はかなり減っていると感じました。
↓ ラヴァルダンに入る手前ル・ロワールの川の畔の風景。左は昔の洗濯場、右に木に隠れていますがレストラン。
↓ 古いお城と橋をバックに記念撮影。
↓ 橋を渡り、少し坂道を登るとEglise St-Genest です。創立は6世紀ですが、現在の建築は11世紀の建築が大部分。三廊式で、5つの大アーケードを支える太い角柱にもフレスコ画が描かれています。
↓プラン
↓ 後陣中央には12世紀の「荘厳のキリスト」
↓ 祭壇側から見た北側の後陣
↓ ペロペロキャンディーのような渦巻き文様が素朴な柱頭彫刻が多い。
↓ 「エッサイの樹」(12世紀終わりごろ)
↓ 窓の光に顔を向け祈る聖人の姿。清らかな美しさに打たれました。
ケルトの影響が見られるいくつもの渦巻き、柱にまで描かれた多彩な壁画、魅力的な柱頭彫刻の数々・・・ロマネスクの旅の最後にふさわしい教会を後にして
↓ヴァンドームに戻る途中、気配りの運転手さんが写真ストップしてくれた洞穴住居
↓ ヴァンドーム郊外のTGV専用の駅でタクシーを降り(120€)、10日ぶりのパリへ戻りました。
↓ Gare de Vandome Villersからはパリまで40分と近く、あまり本数はありませんが、パリから日帰りもできます。7年前にここに来るつもりで、ポワチエ行きに乗ってしまったという失敗があって・・・ようやくリベンジできました。(TGV1等31€)
↓ パリのホテルは前と違う部屋で(料金も20€ほど高い)、ここも快適でした。
↓ 久しぶりのトランクを開けて、レトルトの五目御飯を茹でていただきました。味噌汁も海苔も美味しい~!
心配なのは明朝の北駅までのタクシーです。夜に予約も済んでいたのですが・・・。
サン・ジル礼拝堂の飛翔する天使を見て、アッと思いました。
ポワチエのサン・ジャン礼拝堂の天使とそっくり。
by tina (2010-10-28 16:42)
tinaさん
本当にそっくりですよね。白地の背景に褐色や黄土色の使い方も。
↓マイHPの下方にサン・ジャンの写真を載せてあります。
http://homepage3.nifty.com/teruterubouzu-travel/romanefrance5.html
by alice (2010-10-29 14:21)