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2010年秋の旅 17(パリ~アムステルダム) [2010秋仏のブルゴーニュからロアールのロマネス]

10/6(水)  Paris/Nord 10:01→Brusseles/Midi 11:23 乗り換え11:48→Leuven12:33...14:27→Brusseles/Midi15:12乗り換え→Amsterdam17:43(Tlys)

Amsterdam   Eden Hotel Amsterdam2泊(1泊113€・朝食別途12.5€)

昨夜の杞憂があったってしまいました。今朝になって、タクシーは全部断られたというのです。パリで9時~10時前後にタクシーを頼むのは、最近特に難しくなっているのです。だから昨夜のうちにお願いしたのにぃ~どうすればいいの!レセプションの女性は少しも騒がず、荷物をホテルの人がバスチーユ広場のタクシー乗り場まで運びますから、一緒にそこで拾ってくださいというのです。まあそれなら結構と、朝食の世話をしていた若い女性と徒歩数分のバスチーユ広場へ。なかなか親切なホテルです。初めは広場にはタクシーは居なかったのですが、来たらすぐこの方が走って行って停めてくれました。ああ良かったと乗り込み、彼女にも少しチップをあげてAu revoir。

ところがすぐには走りません。どうやら勤務時間の5分前でメーターも動かないので待っててというのです。さすが、フランスの労働者と感心?しつつ・・・ふと、オペラ・バスチーユを見ると今夜のオネーギンの大きなポスターが・・・悔しいな。

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なにかとお騒がせの割りに、北駅には出発の30分前には到着しました。構内は相変わらず大勢の人々・・・でもなにか緊張した雰囲気が流れています。このとき知らなかったのですが、テロの情報が流れていて、公共の交通機関が狙われてるということだったのです。機関銃を背にした屈強な兵士たちがあちこちに目に付きました。さて、ブリュッセル行きのTGVに乗ろうとホームを歩き出したその時、目に入ったのはTGVの車体の横で数人の兵士さんたちに囲まれ、荷物を開けさせられている30~40代くらいの女性。ちらっとみたところ普通の白人系のようでした。帰国してからかなり具体的な情報があったと知りました。アラブ系の女性が要注意だったそうです。そのときの兵士たちの動きがまさに非常事態の様子で、のほほんと暮らしている身にはかなりな衝撃でした。

さて、この日はアムステルダムに行く前に短時間でしたが、ルーヴァンに寄る予定を組んでいました。まず、ブリュッセル・ミディ駅に到着した後、直ちに地下コンコース中央の荷物預かり所に行きトランクなど小さなバック以外は預け、ルーヴァンへの列車に飛び乗りました。昨年も同じシチュエーションで行動していますから、軽い~はずでした。ところが表示板には国内線なのに、TGV乗り場を指定しているのです。以前と違うので、混乱してうろうろしていたため、1本逃してしまいました。それでも予定の列車には乗れたので、問題はないのですが・・・老いると頭が固くなるので、要注意と思いました。(ルーヴァン往復12€)

ルーヴァンは昨年に続いて2度目です。昨年は迷ってしまった通りを今回は余裕で美術館へ。

↓ 「アンジュー家のバイブル」展のポスター。

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↓ ルーヴァン劇場  オペラのポスターは貼ってありませんでした。

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ブログ仲間のレイネさんとも昨年に続いて、今回もルーヴァン美術館をご一緒する予定だったのですが、突発的な事由ができて、来られなくなりました。レイネさんは装飾写本についてもお詳しい方なので、解説していただけると頼りにしていましたから、困りました。美術館は昨年は新しくオープンしたばかりでしたが、1年たつとちょっぴり落ち着いた雰囲気になっていました。

↓ 美術館ロビーでは今回の催しのヴィデオを流しています。

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特別展の会場に辿りつく前に通過した展示室に、昨年のロヒール・ファン・デル・ウエイデンの展覧会にも出品されていた「七つの秘蹟の祭壇画」がアントワープから貸し出されていました。人気のない部屋でじっくり眺めてから、バイブルの展示室へ。当然ですがカメラ禁止。照明を落とした部屋に一葉ずつはずされてガラスケースの中に展示されています。

『The Anjou Bible - Naples 1340』  14世紀に当時のナポリ王だったアンジュー家のロベール1世によって創られたバイブルはアンジュー家の一族の間で渡り歩いた後は、1509年にブラバント王国にもたらされ、500年の月日が流れました。ところが、このユニークな写本は2008年まで忘れられていたのです。詳しいことは分かりませんが、昨年の地元のマイスターであるロヒール・ファン・デル・ウエイデンの展覧会での研究がこのバイブルの再発見に繋がったものと思われます。

トレチェントのナポリの画壇がどのようなものであったのか。挿絵を観て気がつくことは、すでにルネッサンスの萌芽が極めて色濃く現れているということです。そうなのです。イタリア・ルネッサンスの創始者とも言われるジョット・ディ・ボンドーネ(1267頃~1337)は工房を率いてナポリに赴き、活躍しているのです。ジョットの影響を受けた画家によって描かれたとみられるバイブルは、王家のものにふさわしく、文字の部分や余白を埋めた装飾に金の彩色がふんだんに使われ、その細密な美しさに惹かれました。バイブルですから文章に比べて意外に絵の部分は小さめです。それを拡大した絵葉書を何枚かアップしましょう。主役の王冠姿はロベール1世ですが、各々の場面については良く分かりませんでした。1時間という鑑賞時間に加えて、英文の重いカタログを購入するのは無理でした。適当な薄さのカタログはフラマン語?のでしたし・・・。

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というわけで正味1時間の見学も終わり駅へ。ブリュセッルで荷物をピックアップして、今回の旅の最終地のアムステルダムへのタリスに乗車。(1等61€)今日の難関突破で安堵し、ウトウトしているうちにアムステルダム中央駅に到着。

ホテルは一昨年宿泊したホテルと同じ系列のミュージックシアターの見える側に建つホテルです。二つのホテルは繋がっていて、レストランや朝食室が共用になっています。チェックインのとき再度のご利用ありがとうございますといってくれたのは嬉しかったです。シングルの部屋は入ると長い廊下になっていて、奥はこじんまり。狭いけれど落ち着けました。

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↓ 夕食は前回も美味しかったので、ここのレストランへ。明日はまともな夕食いただけませんから、張り込んでシェフお勧めコースを選びました。今が旬の生牡蠣をはじめ、少量で魚の多い7皿をいただきました。初めに出されるパンが凄く美味しくて、添えられたバターをたっぷり塗ってパクパク。バターをお替りして食べる人も・・・。ワイン、コーヒーも入れて65€。

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これがこの旅の最後の豪華ディナーとなりました。満腹、満足して部屋に帰り、お風呂に入るとバタンキュー。ちなみにここのホテルは無線LANが設置されていません。フランスはその点どんな田舎でもWi-Fiが出来たのに・・・とフランスが懐かしい私でした。

 

 

 

 


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コメント 7

わに子

楽しく拝見させていただいています。
アムステルダムではたしか同系列のホテルに宿泊したと思いますが、この作り、私が泊った部屋とそっくりですぅ・・・!
by わに子 (2010-10-31 12:07) 

レイネ

ドタキャンで、ルーヴァンでの再会がかなわず残念!でも、わたしにはこの展覧会鑑賞ガイド役は、無理だったと思いますよ。。。
昨日のNRC新聞(オランダ)に、この展覧会の小さな記事が載ってました。
それによると、王冠かぶってる馬面の人物はアンジューのロベールその人で、孫娘の結婚プレゼントのために注文した写本ということは、その当時老年だったので髪も後退してる。しかし、その彼の若い頃の横顔をシモーネ・マルティーニがトゥールーズの聖ルイ祭壇画(ナポリ・カポディモンテ美術館蔵)の聖ルイの弟ロベールの戴冠場面に描いているが、特徴的な面長の顔立ちは写本の絵にも通じる、ということでした。(でも、ナポリの絵のほうは、まるで天使みたいにきれいな若者!)

写本全ページはアンジュー家のバイブルのサイトで観られるようですが、やはり、本物を見に行きたいと思います。ぐずぐずしてまたカトリーヌの時祷書みたいな目に合わないように気をつけます。
by レイネ (2010-10-31 18:37) 

alice

わに子さん

同じホテルだったのでは?名前の違うホテルが中で繋がっていることを今回初めて知りました。前回泊まったレンブラント広場側のホテルは内装が黒っぽくて、やや高級感がありました(その分料金も高かった筈)。今回の運河側のほうがコンシェルジュが玄関脇に居て、ロビーも広々で良かったです。
by alice (2010-10-31 20:20) 

alice

レイネさん

お待ちしていました(笑)。そして早速フォローしていただいて、ありがとうございます。

>シモーネ・マルティーニがトゥールーズの聖ルイ祭壇画(ナポリ・カポディモンテ美術館蔵)の聖ルイの弟ロベールの戴冠場面に描いている

おお!そうなんですか・・・チェックしたところ、マルティーニも1317年にナポリのアンジュー家に招かれ、この祭壇画を制作・・・とありました。カポディモンテに行ってますが、全然憶えてないのは我ながら無念です~。


by alice (2010-10-31 20:38) 

alice

「ロベール・ダンジューに王冠を授けるトゥルーズの聖ルイ」の画像は↓

http://it.wikipedia.org/wiki/File:Simone_Martini_013.jpg

聖ルイは23歳で亡くなったそうなので、弟ロベールに王位を譲ったときは、ロベールはまだ少年?マルティーニの筆らしく、綺麗ですね。

by alice (2010-10-31 20:59) 

レイネ

ナポリにはまだ行ったことがないんです。魅力的な美術館や郊外のお城、そしてポンペイの遺跡など、見たいものは一杯なのに。このマルティーニの祭壇画も、実に美しそうです。

アムスでのおいしそうなディナー、どこかしら、と思ったらフローだったのね。アムスにしては、相当レベルが高そうですね。フローはマーストリヒトのお店に入ったことがありますが、たしかにパンもバターもいいお味でした。
by レイネ (2010-11-01 02:32) 

alice

レイネさん

ナポリ、ヨットでは相当遠いのですか?でも以前はトスカーナまで航海されたのですから、もう少し先ですよね。海から入るナポリも素敵でしょうね。

私もポンペイは行けなかったので、もう一度ナポリに行きたいと思っています。あのあたりは素晴らしい島や海岸に建つホテルやレストランなど・・・情報満載。ひとり旅では目に毒ですが。


by alice (2010-11-01 15:06) 

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