2011年冬の旅(8) バルセロナ [2011冬カナリア諸島からカタルーニャの旅]
2/15(火) バルセロナ(Pg.san Joan)9:30→レスタニー11:10/13:30→15:25
今日も曇り空のバルセロナでしたが、雨が降らなかったのは田舎歩きには幸いだったと思わなければ・・・。地下鉄Teluanから外に出るとKikukoさんに教えていただいたとおり、簡単にSagale's社のバス停を発見できました。
バス停で待っている人にも確認して、運転手さんが現れるのを待ちました・・・じりじり。なんと3分前に市バスがこのバスの横で臨時に?停まり、転がるように運転手さんが降りてきて、バスの鍵を開けてセーフ!10人くらいの乗客でしたが途中で降りてしまって、始発からレスタニーまで行ったのは結局私独りでした。バスにも気温表示があり、山を越えるたびに下がっていき、目的地に着いたころは5度くらいになり、昨日より寒くなりました。
↓ 途中の町 Moia
↓ 冬枯れのプラタナスの並木道の向こうにレスタニーの村が見えてきました
レスタニー修道院 L'Estany
1080年にオーギュスト派の集団が定住した町に小さなサンタ・マリア教会が建てられたのは1133年のことでした。13世紀まで隆盛しましたが14世紀には衰退が始まり、15世紀の地震によって大きな損害をこうむりました。数回の改修工事で、半円ヴォールトを伴うラテン十字のプランに変更されました。
↓ バス停から200メートルほど村落の道を行きますと
↓ 単廊式のシンプルな内部 ここから回廊には行けません
↓ 教会の隣に回廊博物館があり入場券を払って見学 10:00~14:00(月休)
↓ I先生の講座でここの柱頭彫刻を知ってから数年・・・憧れのレスタニーの回廊へ、いざ!っていう感じ(笑)
↓ 宗教的な主題のほかにも生き生きとしたヒューマニティあふれる人々の姿 このような髪をとく女性や
↓ 楽器を弾きダンスをする人たち
↓ 本を持つ智天使 羽根の模様のシンプルさがたまりません
↓ 説話的主題も理解しやすく、刻まれた線のリズム感が楽しい弟子たちの行列
↓ キリストの洗礼 左の天使の羽根は渦巻き模様と合体?
↓
↓ 魂の計測 悪魔がお約束のズル(笑)
↓ エジプトへの逃避 ロバ上の「授乳の聖母」マリアの慈愛ある微笑とイエスを抱きしめる手
↓ 働く農民(脱穀) 三角帽子(フード?)は翌日のサン・クガ・デル・ヴァッレスでも見ました
回廊の彫刻は北翼が12世紀半ばと一番古く、キリストの生涯とヒューマンな俗生活がテーマ。西翼は動物、植物、幾何学模様など。南翼は一番新しく13世紀末~14世紀初めのもの、若者、騎士、鹿の姿。東翼は非常に豊富な図像をもっていて、受胎告知や世俗のテーマの髪をとく女性、脱穀する農民など。
シーズンオフの寒い日ですから、見学する人も私だけ。1時間以上も居たので、受付の女性が様子を見にきたのをきっかけに・・・急に寒さを感じました。受付棟に戻りこのEl Bages地方のカタルーニャ・ロマネスクのガイド本を購入。カタルーニャ・ロマネスクだけで20冊!も出版しています。驚くと同時にいかに自分たちの文化を愛し、誇りにしているか・・・カタルーニャ人の魂ですね。
バス停近くのバルで簡単なランチとトイレタイム。暖かい鋳物のストーブの傍に座ってのんびり温まりました。時間通りにきたバスに乗って、バルセロナに戻りました。この後すぐ郊外のサン・クガに行く予定でしたが、今観てきた素晴らしい彫刻群の興奮覚めやらずといった感じで、「きょうはここまで」と戦意喪失(笑)
近郊線の自動販売機で24時間有効との表示に明日の夕方まで使えると思い、購入してしまいました。私の勘違いでこれはOne day切符だったのです。
夕食は近くのイタリアンへ。しばらくパスタを食べていないので・・・ところが結構繁盛しているのにあまり美味しくなくてがっかりでした。
↓ プリモの鮭のカルパッチョ 塩辛い!
セコンドは海老のスパゲッティ、白ワイン、エスプレッソと水 ここは図々しくも10%のチップを手書きで書き込んできた~断る度胸もなく30€の支払い。
早くも、旅は半ばを過ぎました。明日からはタラゴナに移動して関西からのツアーに合流します。今日パスしてしまった、サン・クガは明日の午前中に回り、ポブレ修道院はまたの機会(あれば良いけれど)に延期することにしました。
お葬式とかちあい、回廊博物館は閉まっていましたが、諦めきれなくて、堂守らしいおじさんに泣きついたら、「10分だけ」と鍵を開けてくださいました。教会内の右側に回廊に出られる扉があるんです。お葬式の準備が始まって、大勢の方が詰め掛けてこられるのがわかりました。そそくさと見学したので、お写真と丁寧な解説を見せていただいて、感動しています。10分では写真を撮っている時間はないと、凝視したつもりですが、忘れるものですね。
回廊博物館は回廊以外に見るべきものはあるのでしょうか?
by kikuko (2011-03-07 10:11)
『Catalunya Románica』を初めて拝見しました。良さそうな本ですね。
私も昨年11月にマドリッドで、25冊も本を仕入れました。美術の本は紙がいいので重くて、殆ど郵便で送りましたが、全て10日後には無事到着し、毎日眺めては溜息をついています。
あなたが行かれたL'Estany の回廊の見事さは今でも夢に見るほどです。お撮りになった素晴らしい写真を拝見していて、並木道の風情もめに焼き付いています。ロマネス冥利に尽きるとはこのことでしょうね。
by katsumine (2011-03-07 13:21)
Kikukoさま
ここのバスの情報を教えていただかなければ、行けなかったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
写真も前日のリポールの悲惨なものに比べると大きい画像でもなんとか見られるので良かったです。
回廊博物館の展示室はさーっと見ただけで、すでに記憶が薄れています。パンフレットでは11~12世紀やゴシックの墓石などあったようですが・・・あの柱頭彫刻群のあとでは何を見ても色褪せていたのかも知れません。
by alice (2011-03-07 20:37)
Katsumineさま
スペイン語ができない私には宝の持ち腐れみたいなものですが・・・。地図と写真と見取り図があればOKと購入しました。10×20×1くらいの小型の本で、他の地方のものは置いてありませんでした。バルセロナの本屋にはこのシリーズは売っていると思います。
あの並木道500Mくらいはあったでしょうか?ロマネスク巡りのアプローチのなかでも屈指の印象的な道ですね。夏は緑のトンネルになるのでしょう。
by alice (2011-03-07 20:56)
過分なコメント恐れ入ります。私が行ったときは屋根付のバス停はなくて、なんとなく事情を知っている人がワラワラと待っているという感じでした。停めておく場所がとれないのか、バスは急に現れて、すぐ発車。バスターミナルのインフォの女性が親切で、電話で確認して教えてくださったので、行けましたが、すんでに時間切れ敗退のビサルと同じ羽目になるところです。もしバルセロナ再訪があったら、リベンジしたいです。素晴らしいから同好の士には行っていただきたいですね。
by kikuko (2011-03-08 19:10)
Kikukoさま
あのバス停の屋根(写真では黄色のボード)にL'Estanyの文字を見つけたときは嬉しかったです。
今頃Wさんも行かれているのでは?彼女の報告も楽しみですね。
by alice (2011-03-08 23:14)
只今、写真の整理中、もうしばらくの御猶予を! 回廊博物館の写真も何枚か撮りました。
by わに子 (2011-03-26 04:07)
わに子さん 楽しみにお待ちしています!
私は今回の旅では一眼レフは重いので、遠出のときあまり持ち歩かなかったので、ここはすべて普通のデジカメ(15倍ズーム)です。
帰ってきてアップしてみて、あまり変わらないような気がします。余程遠くのものを写す以外は。
by alice (2011-03-26 14:08)
I先生の御本スペイン編がでましたね。
パラパラめくりながら、aliceさんはここも、行かれたのだ、ここにもとうらやましくて・・・
レスタニーは芸術新潮を見てから憧れています。
今度のツアーでほとほと年を感じさせられたので、スペインはもう無理かなと夫と話しています。
もっと早く知りたかった。
aliceさんが年を感じるのは十年早いですよ。
by tina (2011-04-08 13:39)
tinaさま
I先生のスペイン・ロマネスクの本、楽しみです。明日上京しますので、本屋に寄る時間があれば、アメリカの長いフライトを読んで過ごしたいと思います。
今回のイタリアのご旅行はフライトも順調でなかったので、余計にお疲れになったのでしょう。でも日記で拝見した限りでは、きちんと観るべきところは外さず、文章もまとめ方も鋭い視線もtinaさんらしく感心させられるばかりです。
>aliceさんが年を感じるのは十年早いですよ
実は切腹手術2回経験者で、病弱なのですぅ~。旅に出かけることで、かなり体力的に無理をしているのですが、精神的には随分とストレス解消出来ていて、今のところはこのバランスが良い具合なのですが・・・。
by alice (2011-04-08 17:11)