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2011年夏の旅(9) モンプリエ [2011夏パリとフランス南西部最後はザルツの旅]

7/27(水)  モンペリエ(マグローヌ)

今日はこの旅一番の苦行が待っていました。朝からかんかん照り、その暑さのなかモンペリエの南、海岸沿いの中洲に建っているMAGUELONEの修道院を訪ねたのです。

まず、ホテルの前のコメディア広場からトラム(往復2.5€)に乗って、

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マグローヌ行きのバス停のあるRives du Lez駅まで行きました。15分くらい。ところが降りたらすぐ見つかると思ったバス停がありません。通りを歩くひとにこのバス会社の時間表を示して(NETでチェック済み)尋ねること5人目でようやく。。。トラムの停留所から見える筈がなかったのです。建物をくぐり抜けた処に32番のバス停がありました。

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夏の帽子を被ってきて正解でした。陽射しが強く、サングラスも離せないほど。10:10時間どうりに現れたバスで30分くらい走りますとモンプリエの南16Kほどの街Villeneuve-les-Magueloneに到着。ここから修道院行きのプティ・トランが走っていると思い込んでいたのが、まず第一の失敗でした。村の中心はあっちと指差す運転手さん。まあ、降りて歩けば分かるでしょうと、のんきに構えて歩き出しますと、街角の看板に「12世紀の教会」を発見。標識に従って行って見ました。

↓ Eglise Villeneuve-les-Maguelone  創建は12世紀の初め。現在残っている内陣、身廊の柱は当時のもの。17世紀から19世紀に改築されています。村の教会として使われていますので、明るく壁なども塗られていますが、外壁の荒い石積が素朴なお堂です。

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計画していなかった教会ですが、こうして偶然に訪ねるのも自由な旅の醍醐味です。

教会の前の広場にはこの教会にぴったりの古いカフェ

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↓ それに朝市

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↓ 平べったい桃が珍しい。この後ナルボンヌで食べましたが、普通の桃と同じに甘くて瑞々しい味でした。

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さて、プティ・トランは何処?と尋ねますが、ここから出ていないようで、さっぱり分かりません。モンプリエでも地元の人でも分からなかったし、ここもかぁ~と仕方なく、道を戻り駅へ行けばなんとか分かるのでは?と歩いていましたら、バスが止まり先ほどの運転手さんが声を掛けてくれました。修道院へのプティ・トランが見つからないといいますと、乗りなさいというゼスチャーです。村の外れのようなバス停で停まり、ここからあの道を歩いて1Kというのです。1Kくらいならなんとかなりそうとお礼を言って降車。歩き始めましたが・・・

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その遠いことといったら1Kではなく途中の看板では1.5K!サンダルの許容限度が2K程度ですからここまででもう足が痛くなってきました・・・とほほ。プティ・トランの姿もまだ見えません。

↓ 海の中の1本道に入り、左右の素晴らしい景色。フラミンゴも群れています。

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↓ あ~ようやく!門の向こうに修道院も

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↓ ところが近いように見えても、途中に開閉式の桟橋があり船が通過するまで少々待たされ

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↓ 橋を渡ってようやくプティ・トランが・・・これに乗ればすぐ向こうに修道院も見えるのだからと思ったのですが

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↓海水浴場にはストップしましたが

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↓ プティ・トランのおじさんが修道院はここから1.5K歩くんだよ。あそこの道をと指差すのではありませんか~うっそーと心の中で号泣ですが、ここまで来て引き返すわけにはいきません。心で泣いても顔はにっこり。余裕を見せて、浜辺で遊ぶ真っ黒に日焼けした元気な男の子たち(背景は修道院)を写真に収め、覚悟して歩き出しました。

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しかし、にわかに雨雲が垂れ込めて・・・すぐそこに見えても水路と葡萄畑の柵で直接入れないので、遠回りなのです。

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↓少し修道院に近づいてきました。不幸中の幸いで雨はぽつぽつで、この後は晴れてきました。

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↓ この修道院が昔から葡萄栽培をしていたのでしょう。広大な敷地の葡萄畑の集積のため古い2棟の建物が使われています。その前に自動車が並んでいて、あれれ!自動車道は反対側の町から続いているようです。私のように歩いたり自転車で来る人以外はそちらの道から車で簡単にここに来れるのです。

Ancienne Cathedrale Saint-Pierre de MAGUELONE 

湿原と海の間にある小島のマグレーヌ修道院は6世紀には存在していたと、中世の教会史では良く知られていました。 11世紀と12世紀には王家との権力争いの時代に、この修道院を避難場所として考えていた教皇たちがいました。6世紀のヴィシゴート時代、続く7世紀のアラブ時代と破壊を受けました。最初のカテドラルは11世紀の初めに放棄されましたが、1030年にアルノーが司教座につきこの見捨てられた小島に戻ってきて、11世紀の半ばごろに新しい修道院が建てられました。現在の教会のトランセプトの南アームと身廊の間にある塔はその頃のものです。広大で堅固な教会は12世紀にアルノー司教のカテドラルとしてもとの場所に建てられたのが始まりです。内陣とトランセプトそして身廊と2人の司教時代に分けて12世紀の初めから終わりまで建設され、孤島の要塞として完成し、12世紀のサラセン人の攻撃にも耐えました。

↓ 西正面扉口。 左の壁は半壊したエヴェックの塔(12世紀末)

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↓ 右の聖オーギュスティンの礼拝堂が一番古く、1030~1060年に建てられたもの

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↓ 入り口付近から。上階のトリビューンのため天井が低くなっています。

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↓ 上階から見た後陣

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木々に囲まれた教会はゾディアックにも写真が載っていましたが、古めかしさが残っています。ほとんどのロマネスク聖堂のようにゴシック期やその他の様式は混ざっていないせいもあり、シンプルな構造。いかめしさとともに深遠な雰囲気が漂っているところが、ここの魅力でしょう。

↓北トランセプトから階段を昇って、上階のトリビューンへ。

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↓ 窓の内側アーチを支える柱頭にいくつか彫刻は残っていますが、かなり磨耗していて、暗いこともあり良く写りません。

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とっくにお昼は過ぎています。教会の前に小さなカフェがあり、外のテラスでひとまず麦酒。キッシュとコーヒーもいただいてようやく人ごこちがつきました。ここで採れるワインは有名なのか、カフェの横が売店になっていて、観光客が何人か寄っていきます。

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さて、また今来た道を戻らなければなりません。時間を一応計算してバスの時間まで大丈夫と思って出発したのですが、疲れと足の具合が悪く思ったように早く歩けません。途中のプティ・トランもタッチの差で置いていかれ、待ち時間が。。。

↓ ようやく来ました~早く早くと焦ります

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午後の日差しが容赦なく照りつけます。そのなか我ながらよく頑張って歩きました。バスももう無理かなと思うギリギリの時間にバス停に立つと、直ぐにバスが現れた時は本当に嬉しかったです。ここで置いていかれたら後1時間は何もない住宅街のようなところで待たなければならなかったのです。

よろよろ状態でホテルに戻りました。びっくり!つばの広い帽子を被っていたのに顔も首も赤く陽焼け。。。海辺だったから陽射しが強かったのです。合わないサンダルで結局8キロは歩いたことになります。


疲れ果てて、今夜の音楽会は無理かもと倒れるようにベットへ。でもグッスリ睡眠2時間ほどとれて、目がさめると意外に元気です。シャワーして着替えでかけました。

↓ 賑やかな夕方のモンプリエの通り

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♪~festival radiofrance

Giuseppe VERDI 『I Masnadieri 』
Version concert.

Orchestre National de Montpellier Languedoc-Roussillon
Chœur de la Radio Lettone

Antonino Fogliani, direction

Amalia:Olga Mykytenko, soprano

Carlo:Alfred Kim, tenor

Massimiliano, Moser:Ruben Amoretti, basse

Francesco:Nicola Alaimo baryton

ヴェルディの群盗は今まで聴いたことがなかったので、良いチャンスでした。予習はCDとBowlsさんに貸していただいた映像はテオドシュウとばっちり!音楽はヴェルディのパリ滞在の時の作品。他のオペラからの転調もあるせいで、オリジナリティは薄いものの、ヴェルディらしい熱血が若々しく感られ、良い演奏でした。
コンサート形式なので、休憩を挟んで3時間ほどで終了。

歌手の交代が一昨日のセミラーミスに続いてあり、ピリスのキャンセルといい
やや問題の残るラジオフランスの運営?今年は特別だったと思いたいです。

指揮者は見たことがあり、何処かで聴いているかも。。。覚えていませんが。
筋書きも兄弟で王位と女を争うというシンプルな筋書き。ここの合唱も揃っていて、ヴェルディらしいコーラスを堪能。テノールのキムは初めて聴きましたが、私好みの美声とは言えませんが、よく伸び、はりのある声は勇壮な緊張感も表現して良かったです。

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ヴェルディと言えば再来年2013年が生誕200年とのこと。丁度私も古稀を迎える年です。きり良くヨーロッパ独り旅をこの年で終了しようかな~。その時はイタリア各地の劇場で色々な演目を上演すると思うので、楽しみ!シモンボッカネグラとシチリアの晩鐘が観れたら良いな~。

そんなことを企みながら、まだまだ賑やかな広場を抜けて宿に戻りました。暑いお湯をポットに貰って、カップラーメンの夜食。

↓ コメディア広場から駅方向

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マグローヌ修道院への訪問が予想外の苦行だったため、帰途見学予定だったホテル近くのラングドック博物館へは行けませんでした。サン・ギレームの柱頭彫刻などもここに収蔵されているとのことです。ここもまた来いってこと?モンプリエに泊まると、セトやべゼールに日帰りもできますし・・・。でも、

↓ MAGUELONEにはもう行きませんよ(青線は徒歩)

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