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2011年秋の旅 (5)ウィーン [2011秋ウィーンとイタリアあちこち巡る旅]

10/28(金)

ここのホテルの朝食はなかなか美味しいのですが、残念なことがひとつ。それはコーヒーマシンになってしまったこと。以前はカフェ・オ・レとかカプチーノはオーダーだったのです。それに3€だったか払うと、生のオレンジジュースも飲めましたし・・・。

さて、昼間はお決まりの美術館巡りです。久し振りにウィーン美術アカデミー付属美術館へ行ってきました。最初は次女とウィーンに来た時なので16年振り!あの時はボッスの祭壇画が目当てでしたが・・・、他にも名画があったのにもう思い出せません。ホテルからは2ブロックしか離れていませんし、セセッションの次に宿から近い美術館です。壁の色が臙脂っぽい瀟洒な建物は美術大学も併設しているため建物の一部を展示室として公開しています。特別展という訳ではないようでしたが、建物の前にヴァンダイクの若き日の肖像画の幟がはためいていました。

↓ 正面

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↓ グランドフロアの回廊。立ち入りは禁止されています。

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美術館は写真禁止

 初めはグアルディ(Francesco Guardi)の部屋、ベニスの風景画ほとんど。ベニスの商館、運河の波やボートに乗る人々の題材はカナレットと同じでも、グアルディの即興的なふるえるような筆致はモダン感覚かつ幻想的。次の1室はライスダール(Jacob van Ruisdael)で占められている。オランダの風景の広い空と森、風車や道を往く人々、どこの美術館にも飾られているライスダールですが、必ず足が止まってしまいます。他はルーベンスも多数、豊富なコレクションです。

↓ ルーベンスのお弟子さんだったヴァン・ダイクの自画像はここの収蔵品です。薔薇色の頬の美少年(14歳ごろ)。絵葉書

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ボッスの「最後の審判の祭壇画」の左翼の楽園追放。剣を持ちアダムとイヴを追い払う天使に再会。地獄絵図の怪奇で残酷な図像はプラド美術館の作品で有名ですが。ただただその想像力に驚くばかりでした。何年かして、J.バルトルシャイティス の『幻想の中世』を読んで、古代や東方の驚異がロマネスクを通じて、ゴシック、ボッスの地獄絵図に形を変えて繋がっていることを知りました。ロマネスクやその前の時代の美術に興味を持つことにもなったことなど・・・この前に立つと、子育てが終わってからのめり込んだ美術への興味、巡った美術館や教会のことも頭に浮かんでは消えていくのです。

↓  ムリーリョ「さいころ遊びをする少年たち」絵葉書

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↓ アントニオ・ダ・ファブリアーノ(1451~86)  ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(1370~1427)の追随者?  「聖母戴冠」 絵葉書

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↓ デーリック・ボウツ「聖母戴冠」 絵葉書

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この後はシュテファン寺院まで歩き、改修工事が終わりテントが取り払われた正面ファサード右上に残る

↓ ロマネスク期の彫刻「サムソンとライオン」を眺めて・・・あらら、網入り。

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↓ 左側はゴシック

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 ランチはリンク沿いのANAホテルの和食レストランへ。案内されて席に着きふと隣を見たら、ウィーンフィルのコンマスのキュッヘルさんが夫人と丁度食事を終えられたところでした。ザルツブルグでも和食屋さんで隣の席になったこともあります。奥様が日本人だからやはり日本食がお好きなのですね。余談ですが、何年か続けて1月に札幌でウィーン・リング・アンサンブルの演奏会がありました。ウィーン・フィルのメンバーで構成され、お正月らしくワルツの多いコンサートでしたが、数年前滅多にないほどの猛吹雪で札幌に到着できず、友人たちと<きたらホール>で到着を待ったのですが、とうとう間に合わず、キャンセルになったことがありました。あの時は大変でしたね~などとお話したかったのですが・・・。それからか?冬の札幌ではウィーン・リング・アンサンブルのコンサートは無くなってしまいました。

↓ 久しぶりの和食、東京に帰着するまで唯一の。

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ホテルに続くショッピングモールはすでにクリスマスモード。

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 宿に戻って仮眠の後、徒歩数分の楽友協会ホールMusikverreinへ。ライトアップされたアールヌーヴォーのカールスプラッツ駅舎やカール教会を右手に

↓ 楽友協会ホールMusikverrein

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今夜は注目の若手指揮者、A・ネルソンスとアンスネスのピアノを聴きました。7:30開演

↓ 私の席から

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↓ 正面から

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Wiener Symphoniker

Dirigent:Andris Nelsons      Klaivier:Leif Ove Andsnes

前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲1番、後半はマーラー交響曲1番

ネルソンスは若さあふれるエネルギッシュな指揮。アンスネスのピアノも流麗。 私の席は左打楽器の上という席だったので、マーラーのときはかなりな音響で、お隣の方が耳を覆うほどでした。

ウィーンに来てもほとんどがオペラなので、ここへ来たのはまだ2回目、10年振り。あの時聴いたのは新進ヴァイオリニストのヴェンゲーロフでした。テクニック頼みの演奏だったけれど、やはりその後はあまり活躍してないみたいです。

左の席の老婦人に席を変わって欲しいと言われて、足も悪そうだったので仕方なく通路側の席を譲ったのですが、ピアノがまったく見えないので、しょっちゅう立ったり座ったり(足悪くないじゃん)で落ち着かないこと甚だしいのです。それで、後半はもとに戻してくださいと主張して替わりました。ドイツ系の婦人は図々しいと次女も言ってましたが・・・こちらもいい人してられないわ。

期待にたがわず良い演奏でした。一人旅の寂しさも癒されました。雨は降らないけれど夜はかなり気温が低いので、。宿の帰り道にある大きなカフェに寄って、赤ワインとサンドイッチの夜食。宿と楽友協会のホールまでは食べ物横丁ナッシュマルクトを始め、ベトナムや日本食のレストランも多く賑やか、便利です。

↓ 量の多いこと!半分でお腹一杯。

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↓ ホテル近くのお菓子屋さん。ハローウィンの飾りつけ。旬の栗のケーキが美味!

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コメント 3

ご~けん

夜景がとても綺麗に撮れていますね。さてヴェンゲーロフはもう引退したような記憶があります。彼のマスタークラスの放映は凄かったし、一時期はCDも集めました。何かの病気だったかもしれませんね。
by ご~けん (2011-11-17 07:57) 

alice

ごーけんさま、夜景はまぐれ当たりですが、プロ級の方に写真を褒められるのは格別に嬉しいです。ありがとうございます。

ヴェンゲーロフは肩の故障が原因で指揮者に転向とか・・・下のブログに詳しく書かれています。

http://lisaoshima.exblog.jp/7898754/
by alice (2011-11-17 13:02) 

ご~けん

ブログ紹介ありがとうございました。オペラ座の方ですね。早速RSSに入れました。12月の演奏会は行けないなぁ・・またお出かけするので、、(^^
※佐々木京子さんも、一時期は川村奈菜さんと組んでいたことあるので、お会いしたいところです。
by ご~けん (2011-11-18 17:10) 

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