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2011年 秋の旅(12) パルマ [2011秋ウィーンとイタリアあちこち巡る旅]

11/4(金) エミリアロマーナ・ロマネスク巡り

パルマ10:23→フィデンツァ10:33/11:35→ピアチェンツァ12:02/12:50→ヴィゴロ・マルケーゼ13:37/14:37→カステッラルクアート14:35/16:55→ピアチェンツア17:50/18:22→パルマ18:48

 パルマの宿の朝食は前日時間を予約すると、部屋に届けてくれます。このホテルで欠点を挙げるとすると、この簡素な朝食でしょうか。キッチンつきなので、時間があれば果物や野菜を買ってきて、プラスすれば問題はないのですが・・・。

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↓ ホテルの外に出ますと、朝から賑やかにマーチや人の声。毎年この日は何かの(聞き取れず)祝日なのだそうです。フェスタとなるとバスの運行が心配になりましたが、パルマ独自の催しのようでした。

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↓ 駅までの道すがら、パルマ名産のハムやチーズを売る店が目に付きました。

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 パルマからFSで10分ほどでFidenzaフィデンツァです。この日も一日中雨でした。車通行禁止の商店街は人の行き来が多く、活気があります。中世にはローマへ向かう巡礼者がvia Francigenaフランス街道に入る前にここに立ち寄り、この町の殉教者サン・ドンニーノの遺物を拝んだといいます。ボルゴ・サン・ドンニーノと呼ばれていた町は1921年に現在の名前に変わりました。以前エミール・マールの『ロマネスクの図像学』で、この町に興味を持ち、地図上で探したのですがその時は分からずじまいでした。今回の旅を計画して初めてボルゴ・サン・ドンニーノ=フィデンツァということを知りました。

↓ 駅から徒歩数分、町の中心ガリバルディ広場の市庁舎

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↓ ここから2ブロック先を左折するとドゥオーモの後陣が見えてきます。

フィデンツァのドウォーモ   ポー川流域のロマネスク建築の代表作。11世紀末から12世紀初頭に建築が始まり、後陣外部といくつかのクーポラはゴシック期になって完成。

↓ 後陣のトップを飾るフリーズはパルマと同じ尖頭アーチの連続模様。小開廊や壁の石積なども似ています。

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↓ 外壁を飾る彫刻も面白い物が多いです。

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↓ 南側面

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↓ 巡礼たちの姿が刻まれているフリーズ

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↓ 二つの塔に挟まれたファサード。右の塔の下部に

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↓ これが観たかった!と思わず駆け寄りました。「アレクサンドロスの昇天図」

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↓ まったく同じ図像(アレクサンドロスが両手に持つ竿、左右のグリフォン」がプーリア地方のオトラント大聖堂の床モザイクを飾っているのです。(2002.10訪問)

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フランスの旅芸人たちによってもたらされた叙事詩がイタリアの彫刻家によって刻まれたものと考えられています。多くの巡礼たちがこの聖堂を訪れ、聖人の遺物を拝み、この聖堂を仰ぎ見ながら旅芸人のアレクサンダー大王の物語に耳を傾け、ひとときの休息をとり、またはるかなローマを目指す旅路についたのでしょう。

↓ 中央扉口の玄関廊にはおきまりの獅子が柱を支えています。彫刻群はアンテラミまたはその工房の作と考えられています。アンテラミはフランスのプロヴァンスで修業したので、アルルやサン・ジル聖堂に似た構成をとっています。

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↓ 左右の扉口には羊さん

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↓ 右扉口上部

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↓ タンパンに彫られた聖ミカエルのドラゴン退治

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左扉口周辺は解読の難しい彫刻が多くならんでいます。多分フランスからもたらされた叙事詩がテーマと考えられています。

↓ これは壁面の文字からヘラクレスと分かります。

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↓ 左扉口玄関廊上部

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↓ 左扉口タンパンは聖母子と信者たち

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↓ 内部の一段と高くなっている下はクリプト

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↓ クリプトでは熱心な信者のファミリーがお祈りの真っ最中でしたので、遠慮しました。入り口付近から。

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駅に戻り、予定より15分ほど早い汽車に飛び乗り、ピアチェンツァへ。  続く

 

 

 

 

 

 

 


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コメント 2

tina

素敵なロマネスクの聖堂ですね。見たーい。
池田先生の講義では聞いたことがないような気がします。
オートラントのモザイクは見覚えがあります。こんなところまでアレクサンダー大王の事績が伝わっているのかとびっくりしました。
両手に持っている鉾のようなものについては何か伝わっているのでしょうか。
by tina (2011-11-24 20:43) 

alice

tinaさま、池田先生のツアーでは来春にフィデンツァに行かれるようです。夏の集中講義でここに刻まれた聖ドンニーノの物語を解説していただけると、今から楽しみにしています。

アレクサンダー大王の持っているのは竿で、動物の肝臓をぶら下げて3日間餌を与えていなかったグリフォンの鼻先に突きつけ、その餌をとろうとして飛び上がり、王を空に運んでいく・・・という物語からきた図像(エミール・マールの解説による)のようです。
by alice (2011-11-25 00:12) 

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