2011年 秋の旅(15) ローマ [2011秋ウィーンとイタリアあちこち巡る旅]
11/7(月)
UNA HOTELは新しいホテルですが、あまり暖房の効きが良くなくて、今日も寒さで目が覚めました。イタリアは国民投票でNO原発を選択したので、ホテルも室温設定を低く抑えているのかもしれませんが・・・朝食室は暖かく、カフェ・コン・ラッテもポットでサービスされ、フルーツも美味。日本人の姿もちらほら。
昨日の奇跡的な晴れの日が嘘のような・・・朝から雨のローマ。テルミネ駅を10:20発の列車でアナーニFS駅11:25着。今日は私鉄バスのストライキがあるという情報だったので、駅を降りてチェントロ行きの中型バスが待っているの見て、安堵。
↓ 左の茶色にグリーンの庇の建物に新しいバールができていて、ここで切符を購入。発車時間を確かめましたら、そこに運転手さんが待っているから、大丈夫よとマダム。
優しそうな運転手さんが座って、にこにこお茶していました。
11:45発で、山の上のアナーニ旧市街へは15分くらいかかりました。運転手さんに教えられたとおりの道を進み、
↓ 病院から右手に折れるとサンタ・マリアの門。
↓ ここをくぐると、大聖堂の広場に出ます。
車だけは何台も停まっていますが、人影はなく、観光客らしき人は下の傘を差している中国人二人と私だけ。広場に面したカフェなどもすべてクローズ。右手の建物に(i)があり、入ってみました。大聖堂は昼休みがあるとの情報だったので、確認して見ましたら、今日は1時まで開いているとのこと、ギリギリで見学。
大聖堂に入って、右側廊からの建物内(一部博物館)右奥にチケット売り場があり、早速クリプト(サンタ・マリア)へ。鍵を開けてもらい、階段を降りていきました。
↓ 三廊式の内部。奥に大小3つの後陣。ほぼすべての天井、壁面にほどこされたフレスコ画はゴージャス!床はもちろんコズマーティ(1231年)
小さな案内板にはそれぞれの制作年代が書かれています(1231年~55年)。制作を手がけたベネディクト派の画家グループはいくつかに分かれて仕事をしたようです。
↓ 階段下の入り口から、ノー・フラッシュですがカメラOKでした。
中央身廊天井の天使たち(茶、灰、白のシックな配色)
↓ 神の子羊
↓ 後陣右祭室の左側部分。聖人たち。
↓ この天井画の天使たちは悪戯っ子天使たちを懲らしめています。
↓ 上の一部分
↓ 中央後陣祭室。半円蓋に神の子羊、4福音書記者のシンボル、杯を掲げる24人の長老たち。下の壁面に聖マーニョの物語
↓ 上の左部分、簡素な司教座。
↓ 左後陣は一番古く13世紀前半のもの。玉座の聖母子と下は聖セコンディナの物語。
↓ このクリプトで一番知られているのがこの「Il Posto de'll Uomo nel Cosmo」宇宙のなかに位置する男とでも訳すればよいのでしょうか?正解は「宇宙の中の人間の位置」
↓ その「宇宙の中の人間の位置」の下部にこれまた名高い「ヒポクラテスとガレノスの科学教義」が描かれています。
イタリア語の参考書「ROMA e LAZIO IL ROMANICO」の表紙を飾るこの神秘的な美しさの天井画をぼーっと仰ぎ見ていました。すると、電気が消えて真っ暗・・・。見学は時間制になっていることを知りませんでした。全然時間は足りませんが、もう昼休みですから延長してもらうこともできません。
終わったことを告げて、係員に勧められるままに博物館(ここも鍵を開けてくれます)も見学。
↓ リモージュの七宝焼きの聖遺物箱
時間は過ぎていましたが、最後にアナーニ大聖堂の内部を見て終了。
もとはアクロポリスのあった場所に1072~1104に建築され13世紀にゴシック様式に改築。コズマ風の床面の広がる三廊式の明るい空間。
↓ 内陣障壁に囲まれた祭室
↓ ファサード
↓ 中央扉口
↓ 大聖堂の前には独立した鐘楼(12世紀)が建っています。
↓ 大聖堂近くにあるボニファキウス8世の館(13世紀建造)。13世紀にアナーニ出身の教皇が3人も出たという歴史がある街の資料、考古学コレクションなど展示されているのですが、ここも生憎昼休みでした。
↓ なかなかランチをする場所が見つかりません。ようやく見つけた大きなレストランは、客は私独り。
↓ ワインの辛口セッコとくるみのパンであらかたお腹が一杯になり
↓ パスタはお勧めの魚介のパッパデッレ
↓ ピスタッチオとチーズの凝ったデザート
美味しいランチを済ませ、若いお給仕さんとマダムにブォン・ビアッジョ!と送られて、バス停へ。先ほど降車するときに、言われた「ここで待ってるんだよ!」という意味が分かりませんでした。道路の向かい側のバス停で待っていますと、時間前にバスが来て停まり、来たときに乗った運転手さんが、あっちで待っててと言って、行ってしまいました。よくよく考えたら循環バスだったので、降車と乗車は同じバス停でOKだったのです。10分ほどでまた戻ってきたバス(15:00)に乗って駅へ。この線のナポリやカッシーノからの列車も多いので、アナーニ15:43発ローマ着16:46で、予定より早くローマに戻れました。
Kikukoさんと約束した夕食の時間になっても、少しも空腹感がなく困ってしまいました。早めにホテルをでて、お散歩してみましたが、食欲ゼロ。そのうち時間になりKikukoさんのホテルへ。するとロビー横にあるバールで、ハッピーアワーをしています。ここで軽くワインを飲みながらおつまみをつまんで、おしゃべりすることにしました。私が昼に食べ過ぎて、美味しい夕食ができなくて残念でしたが、気兼ねなく楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。万感の思いを胸にお別れしました。
アナ―ニ懐かしいです。
「宇宙の中の人間の位置」ではないでしょうか。
実は見た覚えがないのですが。
見逃してしまったのかしら。
夫が職業柄ヒポクラテスとガレノスが描かれているのを見つけたのは覚えています。
by tina (2011-11-29 22:30)
tinaさま、ご教示ありがとうございます。この「宇宙の中の人間の位置」の真下がヒポクラテスとガレノスなので、追記させていただきました。
12世紀から13世紀へ。聖職者や博士たちの知的関心が深まっていく時代エポックがここに描かれているのですね。
by alice (2011-11-30 00:04)
ステキです、素敵です!!!
本の写真よりも実際の方が色合いがソフトな感じですね。ここ、絶対に行く!と決めました!
by わに子 (2011-11-30 20:41)
わに子さま、>本の写真よりも実際の方が色合いがソフトな感じですね
私の写真も実物そのままとは言えないので、ご自分の眼でご覧になるのが一番です~。
わに子さんは沢山写真を撮られるから、初めから2回分払ったほうが良いかも(笑)ちなみに3€でした。
by alice (2011-11-30 21:51)
うっそ〜!! 去年の夏に行ったときは撮影禁止でした〜。でも実は亭主がHDカメラでこっそり撮影したので、そこからスチールはとれるんですけれどね。いいな〜。
by Bowles (2011-12-01 14:32)
Bowlesさま、実は今考えたら何もいわれないことを良いことに最初はおどおど・・・そのうち大胆に(笑)撮ってしまいました。カメラ監視装置はあると思うので、もし駄目だったら注意されるはずだと・・・。
シーズンオフで他に誰も居なかったので、大目に見てくれたのか?隠れて撮る人が多いので、フリーになったのか?
by alice (2011-12-01 16:30)
やっとブログを拝見する時間と気持ちのゆとりができました。私が行ったときも撮影禁止でした。独りだけでしたから、撮ろうと思えば撮れたかもしれませんが、きれいな写真をたくさんUPしてくださっているので、嬉しいです。
by kikuko (2011-12-14 15:35)
Kikukoさま、今でも不思議に思うことなのです。係員からの注意もなく、カメラ禁止の立て札もなく・・・でも以前kikukoさんが訪問されたときは撮影禁止だったはずですから、恐る恐るカメラを取り出して写し始めたのです。
ブレーシアもKikukoさんのときはカメラ禁止で、私が後に行ったときはOKだったというケースもありましたしね。
時間制限があるとの説明もなしだったので、クローズ時間も迫り、係員もどうせイタリア語が通じないだろうとすべて省略したのかも・・・下手に喋ると損なときもあるのかしら(笑)
by alice (2011-12-15 11:59)