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2012年冬の旅(18) ソリア~バルセロナ [2012冬パリとバルセロナ、スペイン北部のロマネ]

2/1(水) Soria12:00→Zaragosa14:15/14:52→Barcelona16:40

Hotel Espanya 2泊

連泊が2回続いたので、少し体調も良くなってきました。カンタブリアやリオハでパスしてしまった穴埋めということもないのですが、今日はバルセロナに戻りますし、旅も大詰めです。頑張ってベルランガまで行ってみることにしました。

↓ パラドールの見晴らしの良いレストランで、朝食をとり9:00にチェックアウト。

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迎えに来たタクシーの運転手さんにレセプションのオジサンが説明してくれて出発。親切な感じの良い運転手さんでしたが、まったく英語が話せない(簡単な数字も)ので、勘違いが多くて今思えば笑い話・・・。12:00のサラゴサ行のバスに間に合うように戻れば良いのとプリントしてきたバスの時間表をみせたところ、ナンダカンダ、ドス、ドスというので12:00発のバスは変わってドス(2時)だと言ってるのかと思いこんでしまいました。

ソリアからはスピードをあまり上げずに、田舎道を走りました。そしてブレーキ。なんと!林の中から鹿が2頭現われ、道路を横切って行きました。それでゆっくり走っていたのですね。途中のBerlanga de Dueroの町は意外に大きくて、バス停もみえましたので、Almazanからバスの便があるのかも・・・。

↓お城の城壁を見ながら通り過ぎて、

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ソリアからほぼ1時間で荒野の谷間にポツンと建つSan Baudelio de Berlangaサン・バウデリオ・デ・ベルランガ聖堂に到着。

↓ 聖堂からの眺め

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教会から少し下がったところに小さな管理小屋があり、白い車に紳士風の管理人さんが待機していました。ところがこの男性は鍵を持っていません。赤い車で数分後に現れた毛皮姿の年配の女性が鍵を持ってきました。この冬の寒いシーズンオフに立派な身なりの方たち(文化保護庁の公務員?)二人がかりで、管理するとは・・・。ギリシアだけでなくスペインも公務員優遇が行き過ぎるのも経済危機を招いたのかもしれないと思うのでした。この方たちも英語は全然だめで、65歳以上ですといっても通じなくて、昨日は無料でしたが、今日は0.6€(安いけど 笑)支払いました。

↓ 谷間に向いた正面扉口は馬蹄型アーチ。11世紀に建てられたモサラべ様式の聖堂は方形の身廊と祭室の単純な構造のもの。

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↓ 入口からすぐに見覚えのある壁画が見えてきました。マドリードのプラドに移された跡が弱弱しく残っているだけですが。。。

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 ↓ 入って左に祭室があります。壁画はかなり剥落しているうえに暗いので細かく観察できませんでした。

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↓ そして気になるのがこちらサイドです。祭室から見ると

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↓ 中央の太い円柱の上部は椰子の木が枝を広げたように見えます。8本のアーチが天井に伸び、それは初期キリスト教徒とイスラム教両方のイメージを持つ特別な場所です。

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↓ その背後にはモスク寺院を思わせる列柱が並んでいます。左手に階段がありますが、立ち入り禁止。

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↓ モスク風の列柱の間から

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まるで大きなギャラリーのような内部は壁面いっぱいに動物や狩りをする人たちの姿。新約のエピソードなど(12世紀)。そのおおらかな力強い表現はほかにない魅力ですが、おおかたはプラド美術館、NYのThe Cloisters(メトロポリタンの別館)、インディアナポリス美術館などに剥がされて移設されました。プラドとメトは観ましたが、惜しかったのはインディアナポリス美術館。訪問時にはあいにくこの壁画の部屋を修復中で、見学できませんでした。次女が住んでたので、何度か機会はあったのですが・・・この場に立つと、やはり心残りで。。。

↓ この部分はプラドのコレクションにはいりました。

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↓ 2009年にプラドで写したもの

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↓ オリジナルも残っていました。

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私の見学が終わるまで、管理人さんや運転手さんの3人がじーっと寒いところ待っていますので、落ち着いて観ていられなかったのは残念でした。時間が余ったので、帰途は違う道を走ってもらい、Almazanに寄ってもらいました。

↓ アマルサンのSan Miguel教会(12世紀中ごろ) Amalzanの町はレコンキスタの後城壁都市として発展し、街の中心の広場に建てられました。 鍵は近くの(i)で貸してもらえるというので、行ってみたのですが、閉まっていました。この教会の交差部の天井を観たかったので、残念。

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↓ 後陣の軒持ち送りは多弁型のような連続模様。

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↓ 広場の奥の城壁門を抜けると展望テラスがあり、振り返って教会を撮りました。

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広場に面したバルでコーヒー&トイレ休憩。このとき、運転手さんが急がなくちゃみたいなことを言ったので、一応12時までとお願いしているので、忙しいのかなと思いつつ?

ハイウエイを飛ばして、ソリアのバスターミナルに着いたのは12時10分前でした。まだ2時間もあるからターミナルのカフェで軽食でもと思いながら、バスのチケット売り場へ。あらら!12時発のがもうすぐ出るというではありませんか~。運転手さんが言ったドスは2時ではなくて、サラゴサまで2時間もかかるということだったのでしょうか?危ないところでした。急いでバスに乗車、5分前でした。Therpasaというバス会社を利用、11.4€でした。

サラゴサまで数か所停車し、かなり大きな町も過ぎてサラゴサの駅に到着。ほとんどの町がバスターミナルと鉄道駅は離れていますが、サラゴサは鉄道駅の地下に発着所があるので、便利です。昨年サラゴサに来て、確認済みでしたのでここまで来れば一安心でした。チケット売り場で、再度クレジットカードで購入をしましたが、昨年同様パスポート提示を求められ・・・変わっていませんでした。後ろに並んでいた人も、怪訝そう。どこでも自販機で買える時代なのですからね。AVEエコノミーで64€。

↓ 途中通過した町(ここはどこ?)

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↓ サラゴサ駅プラットホーム

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さて、無事にサントス駅に到着。1週間ぶりのバルセロナはぐっと寒くなっていました。地下鉄乗り換えてリセウまで、ホテルのそばのシシカバブ屋さんでファラフェルサンドを見つけお持ち帰り。

預けてあったスーツケースを受け取り部屋へ。ランチ抜きでしたからオペラの前にファラフェルと手持ちのスープでお腹を満たし、オペラ前の休息。ベットで横になってうとうとしているうちに、寝入りそうになりました。「この歳で無理なんだわ~」(わかっているけどと自問自答 笑)。なんとか起き上がり身支度して、隣接のリセウ劇場へ。

『Le Nozze di Figaro』@Teatre del Liceu 20:00~  チケットOK125.90€

ConductorChristophe Rousset
Stage directionLluís Pasqual
ScenographyPaco Azorín
CostumesFranca Squarciapino
LightingAlbert Faura
ChoreographyMontse Colomé
Co-productionGran Teatre del Liceu / Welsh National Opera

CastMaite Alberola, Ainhoa Garmendia, Borja Quiza, Joan Martín-Royo, Maite Beaumont, Marie McLaughlin, Marc Pujol, Roger Padullés, Vicenç Esteve Madrid, Naroa Intxauski and Valeriano Lanchas.

Symphony Orchestra and Chorus of the Gran Teatre del Liceu

指揮のルセと演出のパスカルだけは知っていますが、出演者はまったく知らない歌手ばかりです。プログラムで確認したところ、ほとんどがスペイン人の新人またはそれに近い人たちでした。人気の演目とあって満席に近い入りで、舞台もリセウなりに水準は保たれて、ルセの軽快でお洒落な持ち味が出て、良い演奏でした。ケルビーノのMaite Beaumontがこのなかでは抜きんでて、演技も巧くて見とれました。略歴を見るとかなり活躍しているみたいで2005年のザルツブルグ音楽祭にも出演したそうです。

席は3階の正面右よりのバルコンでしたが、3列目。でも椅子が高く背もたれもついているので、視界を遮ることもなく、疲労で心配だった居眠りもなく楽しめました。

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↓ ロビー。休憩のとき中国人の親子が来ていましたが、まだ小学生低学年くらいの子供が眠たそう~。

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明日は北ヨーロッパの寒波がスペインに伸びてきて、雪の予報がでています。カタルーニャの山間部はすでに積雪があったようで、地元のテレビは大騒ぎです。明日のVic行きの交通の心配をしながら就寝。


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hrv2004jp

私どももソリアに連泊しましたが、San Baudelio de Berlanga、San Miguel教会共に行ってないです。妻も知らなかったようで、写真を見てこれなら行ってみたかったようです。三人に待たれていては落ち着きませんね。スペインでは鹿に出会うことはなかったです。VICはパラドールに泊まりたかったのですが、この時はパラドールの予約方法がよくわからず泊まれませんでした。改めてカタルーニャのブログを見直して、パラドールの前を通ってMonastery of Sant Pere de Casserreに行ったのを思い出しました。
by hrv2004jp (2012-03-02 18:18) 

alice

hrv2004jpさま、San Baudelio de Berlangaを初めて知ったのは池田先生の講座で、数年前に紹介された時でした。カステーリャの荒野に建つこの聖堂のロケーション、モサラべ様式の異教的雰囲気にひかれました。ここの壁画(特に動物)はNYやマドリードで見たのですが、一度見たら忘れられないインパクトで、どんなお堂にこれらがあったのか、確かめたい気持ちがありました。
しかし、今回はソリアからバルセロナまでの長い移動と夜のオペラが控えていましたから、無理と思って諦めていたのです。

記事にも書きましたが、ソリアの博物館でパンフレットを見つけたときはドキッとしました。月、火が休みなので、この日しかチャンスはなかったわけです。

Vicは日帰りでしたので、美術館見学だけでした。パラドールは湖畔にあり、素敵なところですよね。私も泊まりたかったです。
by alice (2012-03-02 21:42) 

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