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2012年春の旅(3) ブリュッセル(リエージュ) [2012春ブリュッセルからスイスとフランスの田舎]

4/25(水)Brusseles MIDI 9:24→Liege Guillemins10:19/15:00→BrussellesMIDI 16:03

 今日はブログ仲間のレイネさんとリエージュの駅で待ち合わせ、旧市街の聖バルテルミー教会に残る12世紀の洗礼盤の見学とランチをご一緒していただきました。2009年の秋以来の再会でした。

この駅は超モダーンな建築。上階になっているホームを降りると見晴しの良い眺めが拡がり、駅舎はどこ?とキョロキョロ(駅舎はホームの下の地上階です)。

↓ リエージュ.ギレーマン駅

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下の駅前広場にレイネさんのお姿が見えました。挨拶もそこそこに早速彼女の赤い可愛らしい車で、旧市街にあるサンバルテルミー教会を目指しました。

↓ 聖バルテルミー教会Saint Bartholomew's Collegiate Churchはオリジナルは11世紀にライン河畔のロマネスク様式だったそうですが、何度かの改築を経て現在は18世紀の建築当時のモデル二ズモスタイルのものに変わっています。最近(1999~2006)大がかりな復元工事があり、塔や外壁のロンバルディア・アーチがこの時の改築と思われます。

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 旧市街は路も狭く駐車場スペースも見つかりません。教会前の片隅に駐車して教会に入りました。12世紀のものとされる真鍮の洗礼盤があるので有料です。日本語の説明パネルもありました。ベルギーの驚異7つに数えられるというお宝です。ロンドンのV&A美術館でコピーを観たのが2009のレイネさんとの初対面のときの旅でしたから、何かしら縁を感じました。V&Aのはさすがに精巧なコピーでした。12世紀にこれほど完成度の高い、技術的にも難しいものが造られていたことに驚き、機会があったらぜひ観たいものと思っていました。おかげさまで念願を果たすことができました。感謝です。

下方からの照明がグリーンなので写真にとると緑ががってしまうのが残念でした。同時期の同タイプのものがあるかどうかは知らないので、比較はできませんが、ロマネスクの終わり頃?と推察したのですが、解説では1107~1118の間の制作とのことです。12世紀前半のユイの金銀細工師Renierレニエの手になるもの。解説書に寄りますとモザン美術(ムーズ河中流域に12~13世紀に発展した様式)に、古代やビザンティンの影響もうかがえるそうです。

洗礼盤には5つの場面が繊細な立体感で表現されています。台座には牛が10頭(2頭失われて)で洗礼盤を支えています。

↓ キリストの洗礼

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↓ 悔悛の洗礼

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 ↓ 哲学者クラトンの洗礼

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 ↓百人隊長コルネリウスの洗礼

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洗礼者ヨハネの説教は下の写真右に写っています。洗礼盤の置かれた(元は主扉口?)ところから内陣祭壇方向を撮りました。

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さて、見学が終わりオペラ座(改装中)のそばの大きなショッピングセンターの地下に駐車して、近くの細い路に面したイタリアレストランでランチ。通りに面した黒板のトリッパとポレンタに惹かれて立ち止まって迷っていましたら、通りがかりのオジサマが「ここは美味しいよ~」と声をかけてくれて、決まり!

↓ 修道院のビールOrvalがレイネさんのお勧め。グラスもビールごとに違うというのが面白いです。

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↓ 鱈のポレンタ

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 ↓ トリッパ

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ベルギーのイタリアンですから、まあこんなものでしょうといいながらも美味しくいただいてお腹がいっぱいになりました。名残惜しく近くのカフェでおしゃべりしました。彼女はケルン、私はモネと夜はオペラの予定があるので、2:30頃駅でお別れ、3時の列車でブリュッセルに戻りました。

↓リエージュの駅ホーム

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ロッシーニ『オテロ』@モネ劇場 20:00~ コンサート形式 チケット67€

Otello, ossia il moro di Venezia
Direction musicale ¦ Evelino Pidò


Otello ¦ Gregory Kunde   Desdemona ¦ Anna Caterina Antonacci   Elmiro ¦ Giovanni Furlanetto

Rodrigo ¦ Dmitry Korchak   Jago ¦ Dario Schmunck

Emilia ¦ Josè Maria Lo Monaco   Lucio ¦ Stefan Cifolelli

Doge / Un Gondoliere ¦ Tansel Akzeybek

Orchestre ¦ Orchestre symphonique et chœurs de la Monnaie 
 コンサート形式のローッシーニのオテロを聴きました。もちろんヴェルディのオテロのほうが知られていますが、最近はペーザロやチューリッヒでも上演され、知られるようになってきました。
クンデが始めのうちは不調で声の太さがロッシーニにはあっていなくて、彼の欠点なのでしょう。でも後半は頑張って、このオペラの先輩の意地を見せた形になりました。
アントナッチはもうさすが!こういうのがイタリアオペラよね~イタリア語のデクション、節回し、暗めのメゾの悲劇的な表現・・・柳の歌もうなるほど巧かったです。
若いロシアンのテノールコルチャックも頑張りました。何年か前にペーザロでの公演があり、その時bさんからいただいた音源を聞いていました。その事自体は忘却の彼方だったのですが・・・汗。不思議に耳が覚えていてフローレスの歌唱と比較してしまうのです。それでもコルチャックはかなり奮闘していて、なかなか有望かなと思わせる演奏でした。それにバルチェローナを美少年にしたような可愛い顔なのもプラスです。カーテンコールも盛り上がりましたが、写真はすべて失敗。
参考CD/Rossini「Otello」
指揮:へスス ロペス-コボス   オテロ:ホセ・カレーラス   デズデモーナ:フレデリカ・フォン・シュターデ
エルミーロ:サミュエル・レーミィ  ヤーゴ:ジャンフランコ・パステーネ  ロドリーゴ:サルヴァトーレ・フィジシェーラ  エミリア:ヌッチ・コンド   演奏:フィルハーモニア管 <1978収録>
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↓ モネ劇場の広場は工事中
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まずは優れたモネのオペラふた夜に満足。 Tの駅もロッシーニの床屋さんの序曲が流れていて、夜遅いので、こわごわな気持も和らぎました。

今夜でブリュッセル3泊も終わり、明日はウィーンへの移動日です。荷造りしてベットに入るともう2時になっていました。

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コメント 4

はるる

お帰りなさいませ♪(遅くなりましたけど)。さっそく読ませていただき、また夢(?)を膨らませています。
リエージュにはそんなお宝洗礼盤があったのですね。数年前フローレスのリサイタルでワロニー王立劇場に行った時に、街をうろうろしたのですが、素通りしていました。残念! 

「オルランド」モネのサイトでささやかに楽しみました。「ハムレット」も素晴らしかったようですね。いつか、ミンコ+ピィを気合を入れて体験したいものだと思います。フローレスもお聞きになられたんですね。毎回、興味深い公演を選ばれていて、うらやましい限りです。来シーズンのプログラムも出揃ってきましたが、行きたいのあり過ぎで困ります。どうしましょ。とりあえず、ようやく私の生鑑賞も開始となり、やっと明日はルセです。当分バロック系で7月はボーヌのルセの予定しており(また超短期)、alice様の過去のブログ参考にさせてもらっています♪

スイスのロマネスクも素敵でしょうねえ。楽しみです。

by はるる (2012-05-19 16:10) 

alice

はるるさま、リエージュのワロニー王立劇場までフローレス追っかけで行かれてたのですね。凄い~!
ここをご存じなのは、案内していただいたレイネさんくらいと思っていました。

>いつか、ミンコ+ピィを気合を入れて体験したいものだと思います

うふふ、確かに気合が必要かも・・・。

超短期でもなんでも、お仕事の合間を縫って海外遠征は素晴らしいです。違う意味羨ましいな~。

ボーヌはワインもグルメも祭壇画も◎、楽しんできてください。
by alice (2012-05-20 14:12) 

レイネ

リエージュの王立歌劇場の話題なので、横から失礼します。
リエージュでは、先週末もフローレスのリサイタルがあったんですよ!微妙に高かったのでパスしましたが。来シーズンは、グルベ様もいらっしゃいます。
以前、リエージュまで、ホセ・クーラの追っかけで日本からいらしてる方々も見かけましたし。来シーズンは、クーラ演出・主演の『道化師』も。
9月から、新装なって歌劇場が再オープンするので楽しみです。今シーズン最後は、まだテントでの公演ですが、ジューン・アンダーソンとイスマエル・ホルディによる『マノン』。
by レイネ (2012-05-20 18:21) 

alice

レイネさま、リエージュではお世話になりました。お勧めのチョコレートもとても美味しくて、家人に喜ばれています。

来シーズンからの新装なった歌劇場でのオペラはますます楽しみですね。ジューン・アンダーソンはまだ引退していなかったのですね。。。イスマエル・ホルディってあの若いハンサムなロメオ君?母子以上の歳の差って感じですが…汗。

レイネさまのお住まいから近いところにベルギーやドイツの都市の歌劇場があるのは素晴らしいですね~。レポ楽しみにしています。
by alice (2012-05-20 21:29) 

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