2012年春の旅(16) 二オール~ポワチエ [2012春ブリュッセルからスイスとフランスの田舎]
5/8(火)Niort10時半頃.....Melle....(TAXI)Niort16:25→Poitiers17:09(train)
Hotel Central 3泊
今日は朝から雨の生憎の天気になりました。それに憂鬱はお天気だけではすみませんでした。
9時半に荷物はホテルに預けてチェックアウト。ホテルから徒歩数分の二オール駅の横の停留所からバスでメルを訪れる予定でした。
↓ 雨の二オール駅
ところが時間になってもバスは来ません。昨日は駅前の通りにもバスが走っていましたが、バスは一台も通りません。どうやらスト?とホテルに戻って尋ねましたら、今日は軍隊の祝日(正式には戦勝記念日)だからバスは全休とのこと。え~っ!頭は真っ白になりましたが、ここでメルを諦めることはできません。TAXIを呼んでもらい出発。二オールからメルまでは30Kくらいです。帰りはメルのTAXIを頼むことにして、メルの町の中心(観光i)で降車したのですが、無情にもインフォは閉まっていました。グーグルアースの地図をプリントしてくるのを忘れてきましたので、どうしょう・・・。丘に上る手前でSaint-Hilaireらしい教会も通り過ぎましたし、何とかなるから頑張ろうと自らを励まし、歩き始めました。雨のなかをトボトボと・・・。
↓ すぐ近くにSt-Savinienサン・サヴィニアン教会がありました。ここも祝日なので?クローズ。この教会はメルのお城のための最初の礼拝堂として創設され、後に参事会教会になりました。フランス革命時には監獄として使用されたといいますから、なんとなく暗い雰囲気。身廊を支える4本のバットレス柱、方形の鐘塔、南側の翼廊に扉口。
↓ 道路に面した西正面。バットレス柱が4本
↓ リンテルに残るマンドーラのキリストと両脇にライオン。
↓ ライオンと怪物の怖い柱頭彫刻
↓ 後陣は坂を少し下ったところで撮影
丘の麓のサン・チレール教会までトコトコ・・・車の往来が激しい道路から美しい後姿が見えました。
Saint-Hilaireサン・チレール教会 サン・ジャン・ダンジェリから来た修道士によって創建。1090~1150年に建築。
雨に濡れてしっとりと美しい外観はポワトー・ロマネスクの名花といってもいいくらい。白いアイリスが咲いていました。右の扉が開いて、2,3人が出入りしているのが見えて安堵。
↓ 北扉口の上部に大きな壁龕「馬上のコンスタンティヌス」、足元に異教徒の彫刻。
↓ 北扉口のヴシュールには美徳と悪徳の寓意やゾディアック(月歴)が刻まれています。
↓西正面
↓ 再び北扉口から内部へ
↓ 三身廊、天井は尖頭形の横断アーチ
↓ 周歩廊のアーチは半円形
↓柱頭彫刻
今、 ブログ記事を書いていて、南扉口を見てくるのを忘れたことに気が付きました。。。涙
さて、ここからが大変でした。サン・ティレールに置いてあった簡単な地図をたよりに、サン・ピエール教会を目指しました。その前にいったん街の中に戻り、コーヒー&トイレタイム。ここで地図をみせて訊いたのですが・・・。迷いました。10分で行けるところを30分ぐらい坂道を登ったり下ったり、雨がかなり降っている昼間、歩いている人などいません。ヘトヘトになってしまい「どうしょう。。。」と、その時にSaint-Pierreの案内板が目の前にぽっと現われた感じで立っているのです。矢印の方向に道なりに行きましたら、ようやくその姿を「見っけ~!」心は躍りますが、足元はよろよろ(笑)
↓ 公園の緑の木々の向こうにひそやかに佇むサン・ピエール教会。さきほどのサン・ティレールに比べると、古びて地味な印象です。
Saint-Pierreサン・ピエール教会 メルに存在する3つのロマネスク教会のなかでは最も遅く12世紀初頭の建築ですが、後の時代の手が入っていないため、均質な様式が保存されたようです。それだけに神秘的な空間が広がって、心静かに鑑賞できる素晴らしい教会です。
↓ 南扉口 尖頭形ヴシュール、上部の軒持ち送り、上の壁龕。
↓ 後陣
↓ 内部は三廊式の身廊に南北5本ずつの複合柱が並んでいます。
↓ 「足に刺さった棘を抜く巡礼者」
↓ 「キリストの埋葬」
これでメルの3教会の見学も終わりました。ほっとすると同時に空腹感が・・・。先ほどの広場の近くにベトナム料理の店があったので、アジアンランチ。
↓ 揚げ春巻きと焼きそば 味はあまり美味しくないのですが、かなり流行っているお店で、中国系の若い娘さんのサービス係も感じ良くかったです。食事の後、タクシーを呼んでもらって、なかなか来ないと外まで見に行ってくれたりでした。
二オールのホテルまで戻り、預けた荷物をもらって列車でポワティエへ。雨もやみました。
↓ 9年ぶりのポワティエの駅。すっかり改装されてエスカレーターで丘の上へ。。。
↓ 。。。とは行かず、途中から階段。若い男性が途中からヘルプしてくださって助かりました。
↓ 市庁舎に面した2☆のホテル。部屋も広く、バスつき。
↓ 夕食はホテルお勧めのビストロへ。7時の開店と同時に入りました。
↓ 黒板のメニューを持ってきて、今日のお勧めは牛肉のタルタルわさび風味というのでオーダー。添えられた小さなキャセロールのポテトも美味しくいただいて。。。疲れたときは生もの食べたらだめと娘にも注意されていたのにです。
今回の旅の最終地ポワティエに辿り着いて気が緩んだのでしょう。この夜は無事でしたが・・・。
エミール・マールが書いているコンスタンチヌス騎馬像が異教徒付きできれいに写っていて感動しました。サン・チレール教会、いいですね。巡礼たちは、なぜコンスタンチヌス像だと思ったんでしょう。お蔭で4世紀末に他の21体の騎馬像のように溶かされなかったのは非常に良かったと言えますけれど。
by kikuko (2012-06-01 11:43)
kikukoさま、私もエミール・マールの書いたこと以上はわからないのですが、キリスト教世界でのコンスタンティヌス帝の存在はロマネスク以前から非常に大きいものであったと思います。それと馬上の帝の姿、衣装の彫がまだはっきりしていたのかも・・・。
今回通過しただけのParthenayにも残っているそうで、少々惜しい気持ちがしています。
by alice (2012-06-01 13:01)
メルは2010年の11月に行き
大変好きになった所なので、楽しみにしていましたが、
生憎のお天気と休日ということで、本当に残念でした。
サン・ピエールまでは起伏の多い道を歩くので、
地図で見る以上に時間がかかっても、
途中の道筋が魅力的で楽しんだのですが、雨ではね。。。
聖イレール教会の馬上の騎士は、
馬の胴体ほどしか残っていなかったところに、
19世紀につくられたもののようです。
馬上の騎士像はバンベルクにもありますが、色々のようですね。
by elmo (2012-06-04 09:15)
elmoさま、メルは雨の中あの坂道を上ったり下りたりで、厳しいロマネスク修業になりました。詳しい地図がないと、通りの名前が掴めず、もう一歩のところで諦めて違う道を選んだり、めちゃめちゃ。
まあ、そのなかで見つけた喜びはひとしおでしたが・・・。
>聖イレール教会の馬上の騎士は、
馬の胴体ほどしか残っていなかったところに、
19世紀につくられたもののようです。
そうなのですか~綺麗過ぎる感じでしたから。19世紀に修復したところがポワトーは特に多いですね。
ポワトー(特にサンサヴァン)、もう一度9月にリベンジで立ち寄ろうと思ったのですが、ペルピニャンからは遠すぎるので、オーヴェルニュになりそうです。
by alice (2012-06-04 14:50)
この辺りは、.Angers・アンジェーPoitiers・ポワチェーTours・ツールと進んだので、NiortもMelleも行ってません。日本では、バスや電車がとまることはまずないので、ストやお休みは困りますね。Saint-Hilaireサン・チレール教会は落ち着いた感じのたたずまいでとても良いですね。
by hrv2004jp (2012-06-25 20:44)
hrv2004さま、メルでのストはまったく予想していませんでしたし、駅の前に立っていた人に何故バスが来ないのか訊いたのですが、広場のバスターミナルに行ってみたらというし、駅のインフォは無人で、途方にくれました。悪いことに雨が降って・・・。でも諦めずにTAXIで行って良かったです。
メルのサン・チレールもサン・ピエールもマイミクのelmoさんの日記で魅かれて以来の念願の訪問でした。苦労した分印象が強くなるというのが、ロマネスク行脚の宿命(笑)でしょうか?
by alice (2012-06-25 21:40)
あらら、ボケたのかしら…上のコメントを訂正させていただきます。
>メルでのスト→メルの祝日のバス全休です。
by alice (2012-06-27 13:23)