SSブログ

2012年春の旅(17-1) ポワティエ [2012春ブリュッセルからスイスとフランスの田舎]

5/9(水)

 当初の予定ではこの日がサン・サヴァンなどの遠出の日だったのですが、昨日の雨の中のメル彷徨で疲労がピークに達してましたので明日に回し、今日はのんびり市内のロマネスク巡りに切り替えました。不幸中の幸いとはこのことと、後で知ることになります。

朝食は前日オーダーして指定の時間に部屋まで運んでくれるシステムです。パン、コーヒー、ジュースにヨーグルトがついた簡単なものですが、全然食欲がなくクロワッサンを半分かじっただけで、外出しました。

536.JPG

↓ 市庁舎の後の通りは広範囲にわたって大工事中。古い城壁?

537.JPG

↓ 徒歩数分でサン・ジャン聖堂が見えてきました。まだオープンまで時間があり

539.JPG

↓ 隣接するMusee Saint-Croixの見学を先にしました。

540.JPG

↓ 目指すは中世彫刻の展示室です。カメラもOKでしたので、張り切って撮影。まず入り口付近にあったプリミティブな象さん。ポワティエ市内に残るSant-Jean de Montierneuf教会にあったもの。

543.JPG

↓ オランスのポーズをとる人物  こういう置物は珍しい。旧蔵はどこか不明。

545.JPG

↓ 綱の絡まった文様も、2つ並ぶとゴージャスです。

547.JPG

↓いくつか並んでいたプチタンパンのうちの獅子

558.JPG

↓説明パネルも写してきたのですが、ピンボケで判読不能。

562.JPG

549.JPG

↓ 「La dispute」(口論)と呼ばれる柱頭彫刻 11世紀。サン・ティレール教会の近く司教館にあったもの。

569.JPG

↓ 上の柱頭彫刻の正面

570.JPG

奥の階段を下りて、古代ローマから初期キリスト教時代までの遺物を見学

573.JPG

↓ 「サント-ラドゴンドの書見台」 6世紀 木製

576.JPG

見学者の姿もほとんどなく、素晴らしい展示品の数々を堪能できました。

そして、1998年以来のサン・ジャン聖堂の再訪を果たしました。以前はカメラ禁止でしたが、今回はOKでした。見学者は私ともう一人だけでしたが、その方もまもなくいなくなって、心ゆくまでここの空間に浸りました。切符売り場のおばさんがまだいるの~みたいに見ていましたが・・・。

フランスで最古のサン・ジャン聖堂は4世紀に古代ローマの建築物を再利用して建てられました。ナルテックスは10世紀。左右に半円形の祭室のある中央部分に8角形の埋め込み洗礼漕。初期キリスト教時代は全身沐浴方式の洗礼を行っていたのです。

588.JPG

589.JPG

P1050284.JPG

↓ 後陣祭室 四葉型のマンドーラの「荘厳のキリスト」4福音書記者のシンボル。このフレスコ画はロマネスク期よりも後の時代でしょう。堂内の壁画は12~14世紀に描かれました。

P1050291.JPG

P1050285.JPG

↓ 日が高くなってきたからでしょうか、お気に入りの飛翔する天使が窓からの強い光でぼけてしまいました。

P1050288.JPG

↓ 階段の上に入口。

P1050295.JPG

↓ 後陣外観 建物が地面より低い位置にあることが分かります。

583.JPG

ここからほど近く、坂を少し下ったところ(道路の向こうはクラン川)のサント・ラドゴンド教会(初訪問)も見学しました。

590.JPG

Sainte-Radegondeサント・ラドゴンド教会  フランク王国のラドゴンド王妃が創建。6世紀にサント・クロワの修道院の教会になり、王妃が587年に死去し、大きな教会に改築されました。9世紀のノルマンヴァイキングの襲撃にあい破壊されましたが、王妃の墓は1012年に残っていることが確認され、教会は1099年に王妃を祀る巡礼教会として再建。

↓ 頂上に8角形の鐘塔

591.JPG

↓ 見取り図によりますと、玄関口と内陣、後陣が11世紀のロマネスク様式。身廊は13世紀に改築されています。

592.JPG

↓ 鐘塔玄関口の内部南壁にキリストの浮彫

593.JPG

↓ 北壁にラドゴンド王妃の浮彫

594.JPG

↓ 鮮やかな色彩の残る内陣部分

595.JPG

↓ 「アダムとイヴ」

598.JPG

596.JPG

修復時のペイントがこの教会にはどぎつ過ぎて、やや閉口しながら退出。王妃の墓の残るクリプトは見学不可?なのか気がつきませんでした。

↓玄関鐘楼を北方向から。左の丸い塔は螺旋階段。

602.JPG

↓ 後陣外観ですが、向こう側の高い塔は位置からするとカテドラルの塔でしょう。

603.JPG

ここから200mほど川沿いにサン・ジャンとは反対に歩き、左折してその名もGrande reuの長い坂道を800mほど登っていきます。このあたりから体調がおかしいと気が付きました。休み休み喘ぎながら、ようやくノートルダム・ラ・グランド教会に着きました。 続きます・・・


nice!(0)  コメント(5) 

nice! 0

コメント 5

tina

サン・ジャン聖堂の壁画にも馬上のコンスタンティヌスがあったと思うのですが、この前の日記にもタンパンの浮彫にありましたね。あまり他では見なかったような気がするのですが、この辺りの特徴なのでしょうか。
サント・クロワ博物館を見なかったのが悔やまれます。
by tina (2012-05-31 13:16) 

alice

tinaさま、>サン・ジャン聖堂の壁画にも馬上のコンスタンティヌスがあったと思うのですが

12世紀の壁画が確かにありました。写真も撮ってきたのですが、ピンボケでアップしませんでした。

フランス西部特にポワトー地方に多いみたいですね。
by alice (2012-05-31 13:54) 

alice

今、アップした写真を確認してましたら、堂内から入口方面を撮った写真の左上にうっすらと馬に乗った人物。描かれた場所から見てもコンスタンティヌスでしょう。

暗いこともあって、ここの写真は難しかったです。
by alice (2012-05-31 14:01) 

hrv2004jp

ポワティエには二泊し、このサン・ジャン聖堂も訪れました。中にたくさんの遺物が陳列されていたのを思い出します。中に入るまで、こういう状態になっているとは知らなかったので、印象に残っています。
多分あの聖堂の事かなと思い、確かめるために「ポワティエ サン・ジャン聖堂」で検索したらアーリチェさんのこの記事が三番目に掲載されているのが目に入りました。かなりマニアックな記事だと思うのですが、たくさんの方が訪問されているんですね。
by hrv2004jp (2012-06-24 17:44) 

alice

hrv2004さま、検索サイトがどのように順番を決めるのかはよくわかりません。新しい記事の順番?

毎日のように、かなりマイナーな教会の名前(自分でも忘れているような)などで、来られます。日本語訳のない教会も多いので、なるべく現地の教会内で無料または少額のパンプレットなどいただいてきます。でも、英訳があっても、簡単な説明で終わらせていますので、冷や汗です。英語のがないところも多く、そうなるとお手上げ・・・。
by alice (2012-06-25 21:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。